日産自動車は、北米で販売を開始する新型「ローグ」に、グローバルモデルとして初めてアルミニウム製部品のクローズドループ・リサイクルプロセスを適用した。
これにより、原材料から一次合金を製造したパネル部品を採用した場合と比べ、CO2排出量の大幅な削減を実現。また、新規採掘資源に頼らない材料への代替と工場からの廃棄物削減をさらに進める。
新型ローグでは、車両の軽量化により燃費性能や動力性能を向上させるため、フードやドアなどのパネル部品にアルミニウム板が採用されている。
日産は今回、この新型ローグを生産する日産自動車九州において神戸製鋼所、UACJと、また、北米日産スマーナ工場においてArconic、Novelisと協業し、クローズドループ・リサイクルのプロセスを採用した。
クローズドループ・リサイクルは、生産時に発生した廃棄物やスクラップ、そして回収した自社の使用済み製品を同等の品質を維持した材料として再生し、再び自社製品の部品に採用する手法。
日産は、ボンネットやドアが型抜きされたスクラップを、大型のエア搬送システムで細断し、アルミニウムの材種毎に区別された状態で回収。不純物の混入が抑えられたこのスクラップは、サプライヤーに還元され、従来材と同等の高品質なアルミ板に加工され、新型ローグのパネル部品を含む生産用アルミとして再出荷される。
アルミニウム協会によると、廃アルミニウムをリサイクルすることで、原材料から同程度のアルミニウムを作るのに必要なエネルギーの90%以上の節約が可能。また推定では、生産されたアルミニウムの約75%が現在も使用されていると云う。
日産は、ニッサン・グリーンプログラム2022において、リサイクル材の使用やバイオ材の開発、サプライヤーや自社でのリサイクル活動、車体軽量化への取り組みなどで、2022年に生産するクルマに使用する原料の内、30%を新規採掘資源に頼らない材料に代替することを目指しているが、今回のクローズドリサイクルにより、新規採掘資源(アルミニウム新塊)の使用量を削減。
今後も、資源を効率的かつ持続的に使う仕組みを創造し、再生可能な資源や再生材の採用などにより資源の多様化を進めていくとしている。