日本製鉄は、名古屋製鉄所第3高炉の改修を決定した。投資額は約490億円。改修は2022年上期を予定している。
日本製鉄は2月7日、中長期での国内鉄鋼需要の減少や、海外市場での競合激化、製鉄設備の大規模更新投資の到来など、厳しい経営環境を踏まえ、競争力ある鉄源一貫製鉄所を中心とする最適生産体制を構築することを基本方針に、国内の生産設備構造対策を決定。現在、その実行に向けて取り組んでいる。
名古屋製鉄所は、高級薄板一貫製造の主力拠点として、自動車用鋼板の最適一貫製造技術や、商品力・需要家対応力に関して高い競争力を有し、また、同製品向の鉄源を他製鉄所へ供給する役割も担っている。
日本製鉄は、今後も需要家のニーズに的確に対応し、グローバル競争に勝ち抜くことを目的に、要となるこの名古屋製鉄所の鉄源一貫生産での競争力を維持・強化するため、前回の改修から約20年が経過する第3高炉の改修を決定。改修後の高炉では、高度IT等の国内外の新技術を導入し、安定生産、生産性向上を実現するとしている。
<名古屋製鉄所 第3高炉改修の概要>
– 炉容積:4,425㎥(現状 4,300㎥)
– 改修時期:2022年上期(予定)
– 投資額:約490億円(予定)
– 施工:日鉄エンジニアリング(株) 他
– その他:現行高炉は2000年4月に稼働
なお、設備投資の実行にあたっては、財務の健全性も維持するため、設備投資の厳選と効率化を行う。日本製鉄では、中期経営計画(2018年度~2020年度の3カ年)の設備投資計画を1.7兆円から1.5兆円へ約2,000億円圧縮することとしているが、名古屋製鉄所第3高炉の改修については、1.5兆円の内数として実行し、設備投資額の更なる削減を検討。また、中期経営計画での資産圧縮目標を、当初計画の1,000億円から4,000億円に増額して実行してきているが、これを5,000億円以上に引き上げ、キャッシュフローの改善に取り組んでいくとしている。