日本板硝子(本社:東京都港区、代表執行役社長兼CEO:森 重樹、以下、NSG)は10月27日、抗ウイルスガラス「サニタイズ」を北米、南米および欧州で販売開始したことを発表した。
サニタイズは、独自のオンラインコーティングにより施された光触媒膜が、ガラス表面に付着したエンベロープウイルスを不活性化する抗ウイルスガラス。オンラインコーティングは、化学気相成長技術(CVD)により、オンライン(ガラス製造工程)で機能性のある膜を形成する技術で、第三者機関の試験により、紫外線の下、エンベロープウイルスを不活性化することが確認されている。また、オンラインコーティング膜はガラスと同程度の耐久性があるため、ガラスの切断、強化、複層、曲げ加工が可能だ。
エンベロープウイルスとは、エンベロープと呼ばれる脂質の膜をウイルスの最も外側にある持つウイルスで、インフルエンザウイルス、コロナウイルス、B型肝炎ウイルスなどが知られている。
<想定する用途>
– 学校、病院、レストラン、ホテルなどの建物のファサード(建物の外観デザイン)に用いられるガラスの屋内側。
– スクールバス、電車、シャトルバス、船舶等、多くの人が利用する乗り物の窓ガラス。
– バス停の待合所や動物園などの屋外共有スペース。
尚、NSGは2012年より抗ウイルスガラス「ウイルスクリーン®」(製品紹介サイト)を日本市場で先行販売している。ウイルスクリーン®は、銅系化合物と、有機物を分解する光触媒を組み合わせた抗ウイルスガラス。蛍光灯や LED照明などの可視光にも反応する「可視光応答型」で、紫外線のあたらない室内でもガラス面に付着するウイルスを蛍光灯やLED照明などの可視光によって99%以上低減する。今回、サニタイズを北米、南米および欧州で販売開始することで、世界主要市場に「抗ウイルスガラス製品」を提供し、より健康的で清潔かつ安全な世界の実現を目指している。