日本板硝子が、微細貫通穴ガラス基板(TGV:Through Glass Via)の開発に成功したと、1月11日に発表した。
同社は、このTGVを2018年1月17日~19日に東京ビックサイトで開催される、「第47回インターネプコン ジャパン」に出展する。
TGVは厚さ0.1〜1mm程度の薄いガラス基板に直径数10〜100umの微細な貫通穴を超高密度で開けたガラス基板で、次世代の電子基板材料として注目を集めている。
近年のスマートフォンの普及などによる大容量のビデオデータ利用拡大に加えて、スマートメガネ、スマートウォッチ等の小型電子デバイスの利用シーンも増加し、電子機器に求められる薄型、高速通信、低消費電力といったニーズは益々強いものとなっている。
ガラスは、平滑な表面形状、熱的安定性、電気絶縁性、透明性などの特性を有しており、高性能化を求める電子基板材料として適している。
一方、これまでの一般的なドリルやレーザーなどの微細な多数の貫通穴加工では、ガラス基板が割れたり、貫通穴形状が不均一になったりと、実用的な加工速度が得られずに高コストになるなど多くの課題があった。
日本板硝子では、これまで培った独自の技術と経験を元に、実装基板(GIP:※1)に適したガラス材料と高品位な穴形状を形成する実用的な加工技術を同時に開発した。
今後、TGVが次世代の電子基板材料として採用されるよう、提案していくとともに、実用化に向けた準備を進めていくとしている。
※1:GIP(ガラスインターポーザー)とは
インターポーザーはCPUやメモリなどのIC部品と電子基板を中継する役割を有する電子基板の一種で、微細な多数の貫通穴を持つ構造により電子基板の高密度化を可能とする。
複数のICを近接して同一基板上に実装する次世代の電子基板について、垂直方向の貫通穴を用いた配線構造で、基板を積み上げた2.5次元実装と呼ばれる実装方式も可能となり、高密度な電子基板の実用化に向けて各社で開発がすすめられている。
インターポーザーに用いられる材料は、ガラスの他、エポキシ樹脂等の有機材料、シリコンなどがあげられるが、中でもガラスは有機材料と比較して平滑で反りが少ないこと、シリコンよりも大面積で加工でき大量生産に適しているなどの利点が多く、GIPは次世代の電子基板として期待されている。
図1.実装方式の比較(従来方式とインターポーザーによる2.5次元実装方式)
[問い合せ先]
情報通信デバイス事業部 Tel:042-775-1546
第47回インターネプコン ジャパン -エレクトロニクス製造・実装技術展- (総称 ネプコン ジャパン 2018)
期間:2018年1月17日〜19日(3日間)
場所:東京ビッグサイト
サイトURL:http://www.nepcon.jp/