日本精機は5月9日、ポーランド共和国・ウッチ県に設立した新会社「ニッポンセイキ ポーランド社(NIPPON SEIKI POLAND/以下、NSPL)」の新工場に於いて、先頭モデルとしてBMWグループ向けのヘッドアップディスプレイ(HUD)の量産を、4月15日から開始したと発表した。
HUDは、フロントガラス等に、車速や警告、ナビゲーション表示などの様々な情報を透過的に表示し、ドライバーの視界移動を最小限にすることで安全運転のサポートや、運転の快適性を向上させるシステム。欧州・米州を筆頭に、近年では、中国に於いても、その市場は拡大しつつあると云う。
日本精機は、NSPL新工場の量産開始により、拡大する欧州顧客向けHUDビジネスの高い生産効率と物流コスト・在庫低減を見込み、欧州域内にあるオランダの子会社「ニッポンセイキ ヨーロッパ社(Nippon Seiki(Europe))」および英国の「ユーケー エヌ・エス・アイ社(UK-NSI)」と共に、設計~製造~販売までの一連の供給体制を充実させることにより、顧客サービスの向上、欧州に於けるHUD事業の競争力強化を図るとしている。
NSPLの敷地面積は約5.4ha、延床面積10,183㎡(2階建鉄骨造:1階9,371㎡/主に製造、2階812㎡/主に事務所)で、2019年9月に建築工事着工し、2020年11月竣工。生産設備の設置と共に量産の準備を進め、4月の量産開始に至った。
工場では、使用電力を100%再生可能エネルギーで賄い(日本精機グループ初)、またグループのHUD工場中最高のクリーンルームレベル「Class-7」を実現。より高い品質の実現を目指す。
NSPLの小見明社長は、量産開始にあたり、以下のように話している。
「NSPLでは、これまでに62名の従業員が採用され、日本精機本社 及び、欧州域内や米国の関係会社からの支援、指導・教育訓練のもと、高品質な製品生産の実現に向けて取り組んでまいりました。
このたびの量産開始により、高いクオリティの製品を供給できる体制が構築され、大変うれしく思います。今後も、ポーランドにおいて人材育成を図り、地域経済の発展、雇用創出にも貢献できるよう尽力してまいります」。
日本精機グループは、今後も市場の伸びが期待されてるHUD市場に於いて、強みである光学設計・生産技術、設計から製造までの一貫した生産体制、顧客対応・サポート力、グローバルに展開する開発拠点・製造拠点を活かし、安全な車社会への貢献に努めていくとしている。