日本精機は、ヘッドアップディスプレイ(HUD)の生産能力増大のため、ポーランド共和国・ウッチ県に車載用計器・表示器の製造を手掛ける新会社を2019年2月に設立する。
また国内で、HUD基幹部品の凹面鏡増産のため、生産設備への投資を行う。
HUDは、ドライバーが前方視線のまま、フロントガラスに映し出された車速や警告、ナビゲーション表示などのさまざまな情報を、より早く確実に確認できるシステム。安全運転をサポートするシステムの一つとして特に欧州、中国を中心に急速に市場が拡大していると云う。
日本精機は、このHUDの市場拡大に関して、2018年の430万台から、2025年には2,500万台の規模になると予測。同社グループのHUDの世界シェアは現在30%。今後の市場の伸びに合わせた受注増加が見込まれるとしている。
ポーランド共和国の新会社名は、「エヌエスポーランド(仮名称)」、資本金7百万ズロチ(約210百万円)。日本精機100%出資の会社として設立される予定。
建設地は、ウッチ県クサベルフ市、敷地面積5.39ha(仮)、建物延床面積 約11,000㎡(仮)を予定。HUDの生産能力100万台を有する工場として、2020年10月からの生産開始を計画している。
新会社の設立により、欧州大陸顧客向けの物流コストおよび在庫を低減。また、欧州における設計から製造、販売までの供給体制の確立で、顧客サービスを向上、欧州におけるHUD事業の競争力を強化する。
一方、HUD基幹部品の凹面鏡の増産設備については、約10億円を投じて同社長岡工場を改装し、新規凹面鏡生産設備を導入する。
日本精機グループでは、金型製作から成形、蒸着、最終組立までのHUD製造を、グループ一貫体制で行っている。
その内の凹面鏡については現在、国内でのみ製造し、日本、英国、米国で行うHUD生産工場に供給しているが、今後、基幹部品含め生産ロケーションの検討を進め、最適なグローバル生産体制を構築していくとしている。
[新会社の概要]
– 社名:エヌエスポーランド有限責任会社(NIPPON SEIKI POLAND Sp. z o.o.)(仮名称)
– 設立:2019年2月予定
– 所在地:ポーランド共和国ウッチ県クサベロフ市
– 資本金:7百万ズロチ(約210百万円)予定
– 出資比率:日本精機株式会社 100%予定
– 事業内容:四輪車用計器・表示器の製造
– 社長:未定
[凹面鏡生産設備投資の概要]
– 社名:日本精機株式会社
– 所在地:長岡工場(高見事業所内) 新潟県長岡市東高見2-2-8
– 総投資額:約10億円
– 投資内容:建屋工事、生産設備、付帯設備
– 稼働:2020年4月予定