日本精機の連結子会社で、欧州で四輪車、二輪車用計器等の販売を手掛けるニッポンセイキヨーロッパ社は、パリモーターショー2018で発表された、ダイムラー社(Daimler AG)の新型SUV(メルセデス・ベンツGLEクラス)用のヘッドアップディスプレイ(HUD)の納入を開始した。
日本精機グループのダイムラー社向けHUDの取引は今回が初。これにより、日本精機はドイツ自動車大手3社全てに製品を納入することとなった。
HUDは、ドライバーの視界内のフロントガラス等に、車速や警告、ナビゲーション表示などのさまざまな情報を透過的に表示し、ドライバーの視界移動を最小限にすることで、安全運転をサポートするシステム。
欧州では、ユーロNCAP(ヨーロッパ新車アセスメントプログラム)でHUDの搭載が推奨されていることもあり、今後、欧州、米州、中国を中心に市場の拡大が期待されている。
メルセデス・ベンツGLEクラスに搭載されるHUDは、車両のフロントガラスに投影するウインドシールドタイプのHUDで、フルカラーTFT液晶ディスプレイを搭載し、運転者の視点からおよそ3メートルの距離に表示。
画角は9°×3°で、光源に高輝度LEDを採用することで、表示画像が見えにくくなる明るい太陽光の下でも鮮明に画像を表示し、日本精機が長年培った光学技術により表示画像の歪みの解消と高精細表示が可能だと云う。
日本精機は、1998年に新潟県長岡市の長岡工場で車載向けHUDの生産を開始。現在、日本、米国、英国の3国で生産を行っているが、2020年からはポーランドでの生産も予定している。
同社は、こうした生産拠点の充実により、QDC競争力強化と生産能力拡大を図り、グループ会社間の補完体制構築による柔軟な生産体制を実現。
今後も市場の伸びが期待されているHUD市場において、強みである光学設計・生産技術、設計から製造までの一貫した生産体制、顧客対応力/サポート力、グローバルに展開する開発拠点・製造拠点を活かして更なる売上拡大及び安心、安全な車社会への貢献に努めていくとしている。
[ニッポンセイキヨーロッパ社の概要]
– 社名:ニッポンセイキヨーロッパ社 (Nippon Seiki (Europe)B.V.)
– 設立:2002年12月
– 所在地:オランダ 北ホラント州
– 資本金:350千ユーロ(2019年3月31日時点)
– 従業員数:169人(2019年3月31日時点)
– 社長:ステファン ポール