日本精機は10月21日、連結子会社である上海日精儀器有限公司(中国上海市)に於いて、7月からヘッドアップディスプレイ(以下、HUD)の量産を開始したと発表した。
中国でのHUD生産はグループ初。生産したHUDは、中国大手自動車メーカーの「吉利汽車(Geely Automobile)」に納入される。
HUDは、ドライバーの視界内のフロントガラス等に、車速や警告、ナビゲーション表示などの様々な情報を透過的に表示するシステム。ドライバーの視界移動を最小限にすることで、安全運転をサポートすると共に、運転の快適性を向上するシステムとして、欧州・米州を筆頭に市場が拡大、近年は中国でも拡がりを見せていると云う。
上海日精儀器で初となるHUD量産機種は、車両のフロントガラスに投影するウインドシールドタイプで、吉利汽車の大型SUV「Lynk & Co 09(中国で11月に発売予定)」に搭載される。
日本精機は、1998年に新潟県の長岡工場でHUD生産を開始して以来、広島の「NSウエスト社」、米国オハイオ州の「ニューサバイナ インダストリーズ社/New Sabina Industries」、英国「ユーケー エヌ・エス・アイ社/UK-NSI」と生産拠点を拡充。今回、これに上海日精儀器が加わることで、世界4カ国5工場でのHUD生産体制を構築した。
さらに現在、欧州ポーランドの「エヌエス ポーランド社/Nippon Seiki Poland」に於いても、来年春の稼働を目指し、量産に向けた準備を進めていると云う。
日本精機グループは、今後も市場の伸びが期待されているHUD市場において、強みである光学設計・生産技術、設計から製造までの一貫した生産体制や顧客対応・サポート力、グローバルに展開する開発拠点・製造拠点を活かし、安全な車社会の実現に貢献していくとしている。