日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)は、2018年1月12日、データ収集用デバイス「FieldDAQ」を発表した。
同製品は、分散環境での利用に適した、高精度な同期機能、その堅牢さが特長だと云う。
自動車や航空機、産業用機器に代表される、複雑な電気機械システムの高度化が進む現在、検証試験は、より厳密に行う必要がある。
特に、先進運転支援などの新しい機能が次々と実現されている自動車業界では、行政レベルでの規格策定が進められ、顧客からの期待も高まっていることから、より厳しいテスト要件が必要とされる。
そうした要求に応え、システムの安全性、信頼性、品質を確保するためには、テスト中に正確なデータを収集することが不可欠である。
このような状況に対応するため、テスト技術者は、ノイズの影響を受けやすい集中型の計測システムから、分散型の計測ノードへと移行していると、同社では考えている。
この分散型の計測には、デジタル化と信号調節の機能をセンサ付近に配置する必要があるが、計測システムの形態として分散化を進めると、データ収集用のデバイスが置かれる環境は厳しさを増すほか、システム全体で同期をとってデータを収集し、スケーリングや統合をシームレスに行う必要が出てくるといった課題があると云う。
FieldDAQは、-40~85℃の環境で動作、100Gの衝撃と10Gの振動に耐え、最も堅牢なものは防塵/防水規格であるIP67に対応。
同社のデータ収集デバイスの中で最も堅牢性に優れ、非常に厳しい条件下、例えば雨やみぞれ、雪、泥などに晒される屋外の環境下で、信頼性の高いデータの収集が可能だとしている。
また、同製品は、ソフトウェアで構成できるカスタマイズ可能なハードウェアプラットフォームと、ソフトウェアプラットフォームをベースに構築。
オープンで拡張可能なため、テスト技術者は、製品の設計サイクルに応じたテストが行え、その結果、コスト削減ができるとしている。
また FieldDAQは、Ethernet規格の拡張版であるIEEE 802.1 TSN(Time Sensitive Networking)に対応。
産業用コントローラや、「CompactDAQ」、「CompactRIO」と並んで、TSNに対応するNIの製品ラインアップを拡充するもので、余計な配線や複雑なプログラミングは不要だとしている。
更に、TSNに対応していることから、Bosch Rexroth社、B&R Industrial Automation社、Schneider Electric社など、産業用I/O製品や制御製品の大手ベンダーが提供するTSN対応のソリューションとも組み合わせた使用が可能だとのことだ。
[FieldDAQ製品ラインナップ](税別価格)
– 温度入力デバイス (258,000円~)
– 電圧入力デバイス (405,000円~)
– 歪み/ブリッジ入力デバイス (552,000円~)
<参考>
FieldDAQを使用でより高性能な分散型データ収集システムを構築する:
http://www.ni.com/white-paper/54280/ja/