ニデック(旧:日本電産)は6月26日、子会社であるニデックマシンツール が、インドの切削工具の製造・販売会社“Nidec India Precision Tools(インド タミル・ナド州ラニペット/以下、NMTI)”に新工場を建設し、7月1日から生産を開始すると発表した。
これにより、NMTIで主に生産しているホブカッタ、ピニオンカッタ等の切削工具の増産体制を確立し、自動車はじめ、建設機械・農業機械などに向けた製品を素早く供給し、同国で高まる顧客ニーズに応えていく。
インドでは、人口増加(*1)を背景に、自動車の販売台数が年率10~15%(*2)で増加すると予測されており、また世界的な脱炭素社会への動きから、自動車のEV化の急伸や天然ガス(CNG)車のシェア拡大など、歯車を多数使用するトランスミッションの需要増も見込まれていると云う。
NMTIは、同国に於いて、1963年の創業から60年に亘って歯車加工用の各種切削工具を設計・製造・販売。その高い生産性や商品の優れた耐久性などから、多くのユーザからの支持を得てきたと云う。
これまでにもマーケットの拡大に伴い事業規模拡大に取り組んできた同社は、今回、2021年のニデックグループ入り後初となる大規模投資を実施し、面積5万5,000㎡の敷地内に床面積2,000㎡の新工場を建設し、歯車の外歯・内歯を加工するための切削工具(ホブ、ピニオン、シェービング、ブローチ)の製造ラインを敷設。
生産能力・生産品種の拡大や、再研磨やリコートなどのアフターサービスを充実を図ると共に、今秋には工作機械のショールーム機能も追加し、工作機械の販売拠点としても活用していく予定だと云う。
ニデックマシンツールは、二輪車・四輪車メーカーや工作機械メーカー関連サプライヤーなど、自動車産業が集積するチェンナイやベンガルールの近郊にあるNMTIを通じて、これら産業の多様なニーズや市場の急拡大に即応できる供給基盤の確保と、高いコスト競争力による相乗効果を追求し、顧客の期待に応えていきたいとしている。
*1:国連人口基金(UNFPA)の推計では、2023年央には人口14億2860万人に達すると発表。
*2:インド自動車部品工業会発表(ACMA:AUTOMOTIVE COMPONENT MANUFACTURERS ASSOCIATION)より引用。
[NMTIの概要]
– 会社名:Nidec India Precision Tools Ltd.
– 所在地:No.2 SIPCOT Industrial Complex, Ranipet, Tamil Nadu, India
– 電話番号:+91-4172-244361
– 事業内容:切削工具の設計・製造・販売