ニデック(旧:日本電産)は6月9日、「パワーステアリング用モータ(*1)パワーパック(Electric Power Steering Motor Power Pack)」(以下、EPS-PP)の新製品を開発したと発表した。
EPSには、主に小型車に採用される「コラム式」と高級車で広く採用される「ラック式」があるが、近年では、コラム式にもラック式と同等のスムーズな操舵性能や更なる価格低減が求めれることに加え、普及が進むADAS(*2)機能のレーンキープアシスト等をスムーズに機能させるため、ステアリングシステム全体の摩擦やトルクリップル(*3)性能の更なる低減も求められるようになってきていると云う。
このスムーズな操舵性能を達成するため、ニデックでは従来、設計や製造段階での改善を行ってきたが、これにはコストが掛かるという課題が。そこで、新開発のEPS-PPでは、モータおよびEPS減速機構の摩擦やトルクリップルを逐次検出しながら補正を行うことで、従来よりも大きな摩擦やトルクリップルがあってもスムーズな操舵性能を達成。モータおよびEPS機構の摩擦やトルクリップルの管理の緩和により、性能を落とさず、コストダウンすることに成功した。
また、新製品では、摩擦につながるロストルク低減のために使用していた電磁鋼板材料を低グレード材にできるなど、モータ材料のコスト低減もできると云う。
*1)パワーパック:モータと電子制御ユニット(ECU)を一体化した製品の総称。
*2)ADAS: (Advanced Driver-Assistance Systems=先進運転支援システム)ドライバーの安全・快適を実現するために自動車自体が周囲の情報を把握し、ドライバーに的確に表示・警告を行ったり、ドライバーに代わって自動車を制御するなどの運転を支援する機能の総称
。
*3 トルクリップル:モータが回転中に出力するトルクの変動量。モータの騒音や振動の原因となる。
※タイトル写真:新型パワーステアリング用モータパワーパック(コラム式)。
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