日本発条 ( ニッパツ )は11月17日、メキシコの製造拠点「ニッパツメキシコ」に於けるモーターコア(モーターの鉄芯)生産の能力増強を目指し、当地の工場隣接地に約75億円を投じて新工場棟を建設する計画を明らかにした。
ちなみに対象の製造製品となるモーターコアとは、モーター製品の中核部品にあたるステーター( 固定子 )やローター( 回転子 )の鉄心部分にあたり、薄い電磁鋼板を積層させて製作していく製品だ。
現段階の予定ではメキシコの新工場棟着工は2024年から。稼働(量産)開始は2027年以降を見据えている。増産したモーターコアの出荷は、EV市場の着実な拡大が見込める米市場に充てる構え。これにより2030年度のモーターコア事業に係る売上高を、300億円にまで積み増す考えだ。
ニッパツでは、メキシコ拠点の生産規模を日本の厚木工場( 神奈川県愛川町 )と肩を並べる水準としたい意向で、これを勘案すると、現在、日本・中国・メキシコの3拠点体制を敷く同社のモーターコア事業は、足元の80億から300億円超の売上水準が見えてくる。
従って追加の設備投資には積極的で、早晩、事業規模を1000億円の大台に乗せていきたいとする前向きな姿勢を示している。
[生産能力増強の内容]
現在、主に懸架ばねの生産工場の一部で手掛けているモーターコアの生産については、既に取得している隣接地に専用の工場棟を建設した上で、モーターコアの生産に特化した効率的なレイアウトを採用して生産時の効率性向上を推し進めていく。
また今後は、11月に竣工する国内( 厚木工場 )のモーターコア生産棟と合わせて、グローバル( 日本・メキシコ・中国 )での総生産能力を2022年度比で約4.5倍に増強。これにより、2030年度のモーターコア事業に係る売上高300億円超を目指す。
<新工場棟の概要>
– 対象拠点:ニッパツメキシコ株式会社
– 所在地:メキシコ国 グアナフアト州イラプアト
– 投資額:約75億円
– 生産品目:モーターコア
– 着工予定:2024年1月
ニッパツメキシコ。