日本ガイシは11月1日、米国のオン・セミコンダクター(ON Semiconductor/以下、オンセミ)と、リチウムイオン二次電池(以下、Li-ion電池)「EnerCera(エナセラ)」の電池残量などの状態を可視化する評価システムを開発したと発表した。
日本ガイシの超小型・薄型のLi-ion電池「EnerCera」は、独自の結晶配向セラミックス電極板の使用により、従来品では併存が難しかった高容量、高出力、高耐熱、長寿命といったIoTデバイス用電源に求められる特性を実現した半固体電池。
現在、スマートキーやスマートカード、センサー付きウェアラブルデバイスなどに採用されている他、世界の500社以上でサンプル評価が進んでいると云う。
今回両社が開発した評価システムには、オンセミがEnerCera専用に最適化した高精度で超低消費電力の電池残量監視ICを搭載。電池残量に加えて、電圧や温度などの状態も可視化できるため、デバイスやシステムの省電力化や長寿命化に寄与する他、これまで電池残量を計測するために必要だった個々の電池の特性データを用いた検証も不要に。さらに、デバイス動作時の安定性などの検証も可能なため、EnerCeraを利用したデバイスなどの開発時間も短縮できると云う。
日本ガイシは、EnerCeraを利用するデバイスメーカーなどに対し、11月から同システムの参考設計図の公開や評価ボードの無償提供を開始し、開発効率を促進。今後もIoTデバイスの普及に向け、EnerCeraを使用した様々な電源ソリューションを開発・提供することで、デジタル社会の発展に貢献していきたいとしている。
■オン・セミコンダクター:https://www.onsemi.jp/