ジェイテクトは、特殊環境用EXSEV軸受シリーズに、セラミック軸受のラインアップを追加した。
ジェイテクトではこれまで、耐食性が求められる環境用に、主に窒化けい素製のセラミック軸受を提供。今回、特に腐食性の高い薬液中などでの使用を想定した高耐食のセラミック軸受シリーズとして、アルカリ環境に強いジルコニア、酸環境に強い炭化けい素を追加した。
同社は、これまでよりも幅広い腐食環境に適応したことで、半導体、高機能フィルムおよび食品製造分野などの設備の長寿命化やメンテナンスコスト低減など、生産性向上に貢献するとしている。
[各材料の特長]
<材料、特長>
– 軸受鋼(SUJ2)、一般的な軸受の材料。耐食性に乏しい
– ステンレス鋼(SUS440C)、軸受鋼よりも耐食性に優れる
– 窒化けい素(Si3N4)、軸受用セラミックスのスタンダードで、SUS440Cよりアルカリ環境での耐食性と耐荷重性に優れる
– ジルコニア(ZrO2)、特にアルカリ環境での耐食性に優れる
– 炭化けい素(SiC)、特に酸環境での耐食性に優れる
[ジェイテクトセラミック軸受シリーズの概要]
セラミック軸受がない時代には、海洋設備の建造や、医薬品の研究、食品の製造など、液中作業を必要とする多くの業界では、ステンレス製軸受を内蔵した装置を水中で使用。
軸受用のステンレス鋼は、ころがり寿命重視のため高硬度化、しかしそれに背反し、耐食性が十分ではなく、使用にあたっては、高頻度のメンテナンスと取り替えコストが発生していたため、強度が高く、さび付かない耐食用軸受の商品化が待たれていた。
ジェイテクトでは、転動体にエンジニアリングセラミックスを採用、試行錯誤の後、高強度・耐食性・高温その他さまざまな特性を持つセラミック軸受を世界で初めて完成。
現在、水中用途だけでなく、強度や高速性能の高さ、油を使わない、ゴミが少ないなどの特性から、工作機械の主軸や半導体製造装置などに採用されている。
[製品仕様]
販売目標:2020年売上 10億円
販売先:半導体、高機能フィルムおよび食品製造装置メーカー 等
製造工場:徳島工場、国分工場