ナルネットコミュニケーションズは、リネットジャパングループと、自動車整備工場向けに整備職種におけるカンボジア技能実習生の送り出しのサービスを開始するため、2020年12月14日に業務提携したことを、同日発表した。
ナルネットコミュニケーションズは、全国約9,400カ所の整備工場と提携して、自動車のメンテナンスを委託。日本の自動車整備業界が現在、深刻な整備士人材不足に悩まされていることを受けて、カンボジアからの人材送り出しに豊富なノウハウを持つことに加え、ネット上でのリユース事業を中心に多くの実績を残してきたリネットジャパングループと業務提携を結んだ。
今後、両社はカンボジアで日本向けの自動車整備研修を受けた技能実習生を送り出すことで、⾃動⾞整備業界における人材課題の解決を目指すとしている。
自動車整備業界並びに整備士を取り巻く環境
一般社団法人日本自動車整備振興会連合会によれば、現在、自動車整備業界は従業員10人以下の企業が約7割を占め、有効求人倍率は4.46倍と採用難となっており、全国の⾃動⾞整備⼯場の約50%が整備⼠不⾜を実感している。さらにそのうち約10%においては事業継続に⽀障をきたすほど深刻な状況。また法務省によれば、2023年までに約13,000⼈の整備士不⾜が⾒込まれている。
こうした状況を受け、2019年4月に入国管理法が改正され、国策として本格的に外国人の受入れを行う方針となった。法務省によれば、自動車整備職種において2023年までに7,000⼈の外国⼈を受け入れる計画が打ち出されている。
人材サービス提携に至った背景
ナルネットコミュニケーションズは2019年に新しい経営ビジョンとして「移動に関わる領域に軸足を置きながら、お客さまや社会が抱える課題に真摯に向きあい、課題を仕組みで解決するリーディング・プレイヤーへ」を掲げている。今回の業務提携は新経営ビジョンに沿った新しいサービス提供の一環だとしている。
リネットジャパングループは、独立行政法人国際協力機構(JICA)と連携した長年の現地貢献活動から、カンボジア政府の要請を受け、2018年1月に子会社としてカンボジア送り出し機関「RENET (CAMBODIA) HR CO., LTD.」を、カンボジア最大の国立工科大学校である National Polytechnic Institute of Cambodia (NPIC)内に設立した。
現在、累計で170名を超えるカンボジア研修生の送り出し、日本受け入れ(現地研修中を含む)の実績がある。同校の自動車整備科の卒業生を中心に質の高い研修生を選定し、カンボジアからの送り出しのみならず日本企業へ入社後のサポートも行うことで、現地での採用から日本入国・入社後の定着まで、送り出し機関としては類を見ないワンストップサービスを特徴としている。
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