武蔵精密工業 (以下、ムサシ)は7月26日、経済産業省の令和5年度補正「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(我が国企業によるインフラ海外展開促進調査)」に係る間接補助事業者として『ケニア共和国/環境負荷低減に寄与する電動バイク等を活用したデジタルサービスの実現可能性検証の実証事業』に採択されたことを発表した。
なお、グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(我が国企業によるインフラ海外展開促進調査) は、ASEANやインド、中東、アフリカ、中南米、太平洋島嶼国といったグローバルサウス諸国が抱える課題を解決することを通じて、当該地域の市場の成長力を活かし、経済連携の強化や本事業の実施による事業実施国への裨益(ひえき:助けとなり、役立つこと。)を実現するための事業の実施に必要な費用を補助する補助金である。
同社は、この事業を通じてスモールeモビリティ(Small e-Mobility)の普及展開を加速させることで、人と環境が調和した豊かな地球社会の実現に貢献していくとしている。
背景
ムサシでは、開発した二輪EV向けe-Axel(電動二輪車ギヤボックス一体型モーターユニット)を搭載した電動二輪車のケニアでの上市を目指し、電動二輪車を製造・販売するケニアのスタートアップ企業であるARC Ride社 (※)との協業を2021年に開始。今年2月には、ARC Ride社への追加出資を行い、協業を拡大、ケニア政府が推進するカーボンニュートラルな交通手段の実現に貢献することを目指してきた。
今回、それら同社のケニアでのeモビリティ普及拡大活動が経産省の補助金に採択された。
※ケニアのナイロビに組立工場を持つEV企業。電気自動車の二輪車と三輪車の設計、製造、組立に加えて、独自のバッテリー交換・管理プラットフォームを提供するなど、クリーンエネルギーモビリティシステムへの移行をサポートするEVエコシステムを構築している。
補助金採択事業について
ムサシは、日本政府の援助を受けて実施する事業に於いて、ARC Rideと連携し、ケニアの首都ナイロビで電動二輪車、バッテリー並びにバッテリー交換ステーションおよびデジタルサービスを含む電動二輪車のエコシステム構築を通じたビジネスモデルの実証を行うことで、以下の実現を目指す。
1.環境負荷の低減:
電動二輪車の普及によりCO2排出量を削減し、ケニアの環境保護に寄与すると共に、カーボンクレジットを創出する。
2.ドライバーの利便性・安全性向上:
IoT技術を活用し、バッテリーシステムや充電ステーションの最適化によりドライバーの利便性と安全性を向上させる。
3.ケニア国内での周知:
ケニア国内で電動二輪車についての理解を深めるために、広く情報を提供し、普及を促進する。
以上、ムサシは、2030年までに、ケニアの主要都市に於いて電動二輪車のエコシステム構築を進めると共に、同事業を通じて得られたデータや実証結果を元に更なる研究開発を進めることで、グローバルでのSmall e-Mobilityの拡大展開を目指すとしている。