武蔵精密工業 (以下、ムサシ)は6月20日、連結子会社である〝Musashi Auto Parts India(本社:インド・ハリアナ州/以下、MAP-ID)〟が、同国で、電動二輪車(以下、二輪EV)向けのe-Axleの量産を開始。カルナータカ州バンガロールの同社第2工場に於いて、6月5日に量産開始を祝うラインオフ式典を開催したと発表した。
ラインオフ式典には、近く同国で操業開始予定の二輪EV向けe-Axleの製造・販売を目的とした合弁会社〝Musashi Delta e-Axle India Private〟のパートナーである〝Delta Electronics〟ならびに〝豊田通商〟から来賓を迎え、工場の安全を祈願すると共に、量産が開始された二輪EV向けe-Axleに記念の署名を行った。
二輪EV向けe-Axleは、主にギヤボックスとモーターにより構成。ムサシは、EVに求められる小型・軽量・静粛性を兼ね備えた高性能の駆動ユニットを一体のシステムとして開発・製造・販売することで、品質保証を含めた高い付加価値を提供していきたいとしている。
なお、世界最大の二輪車市場であるインドでは、政府によって2030年までに二輪車の80%をEV化するという目標が掲げられ、その主導の下、四輪車に先行して二輪車のEV化が加速しており、二輪EVの現地生産ニーズが急速に高まっていると云う。
今回量産が開始された二輪EV向けe-Axleは、ムサシの出資・協業先であるEVスタートアップ企業の〝BNC(本社:インド・タミル・ナードゥ州コインバトール)〟が販売する「Perfetto」や、同じくEVスタートアップ企業である〝Emobi(本社:インド・バンガロール)〟の二輪EVに搭載される予定。生産目標は、量産初年度である今年度については年間1万台相当としているが、2030年度には年間100万台を目指しているとのこと。
ムサシはe-Axleの供給を通じ、インド市場をはじめ全世界での二輪・三輪のEV普及をリードすると共に、カーボンニュートラルの実現に貢献していきたいとしている。
[ムサシについて]
四輪/二輪車用向けに、デファレンシャル/トランスミッションギヤ/プラネタリィ/ボールジョイント/カムシャフト等の開発・製造・販売を行っている。また、コア事業に於ける電動、自動運転といった次世代モビリティ向け商品展開を進める一方、先端AI技術開発によるインダストリー4.0の推進、カーボンニュートラルへの貢献を目指したエネルギーソリューション事業、更にSDGsの幅広い領域での達成貢献に向けたオープンイノベーション展開等、広く新事業の創出・拡大にも注力している。