村田製作所は3月8日、フランスの生産子会社である「ムラタ・インテグレーティッド・パッシブ・ソリューションズ社(Murata Integrated Passive Solutions)」が、シリコン(Si)キャパシタの生産能力を拡大するため、カーン地区にある既存施設に200mmウエハの生産ラインを新設すると発表した。
ラインを新設するムラタ・インテグレーティッド・パッシブ・ソリューションズ社は、フランスのノルマンディー地方・カーンに拠点を構え、主に埋め込み型医療デバイス、高信頼性用途、電気通信インフラストラクチャ、自動車や携帯端末用途を対象とする3Dシリコンキャパシタの開発・生産を担う日本の村田製作所グループに属する会社。
同社では、ライン新設の準備を今年春に開始し、2025年にかけて、新たに100名を超える雇用創出(現在200名以上を雇用)を見込んでいると云う。
なお、この新規ラインで製造されるシリコンキャパシタは、200mmウエハをベースに、電気特性に対して非常に高い性能を発揮する最新のPICS(※1)技術を活用することに重点が置かれており、厚み40µmの極小サイズでありながら非常に高い性能と静電容量値を持つものになると云う。
生産ラインの新設について、同社マネージングディレクターのFranck MURRAY氏は、次のように述べている。
「シリコンキャパシタの技術は日を追うごとにその魅力を増しており、要求の厳しいニッチな市場の範囲を越えて大きく成長してきました。携帯電話のアーキテクチャや新しい電気自動車には周波数や温度の面で非常に高い性能が必要とされています。さらにこれらの新しい用途では、スペースと生産量の面でも厳しい要件が求められています。今回の投資は、フランスおよび欧州省庁の支援も受けています。この支援により、技術が向上し、お客さまへの大きな価値提供を実現できるものと思います」。