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2020年11月5日【自動車部品】

ムラタ、自動車向け世界最小最薄の積層セラミックコンデンサ

NEXT MOBILITY編集部

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村田製作所(ムラタ)は、自動車のECU(電子制御ユニット)内で使われるプロセッサ向けに、世界最小かつ最薄(※1)(0.5mm×1.0mm×0.2mm/※2)のLW逆転低ESLチップ積層セラミックコンデンサ(※3)「LLC152D70G105ME01」を開発し、10月から量産を開始した。

村田製作所・ロゴ

近年、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転の進展により、自動車1台に搭載されるプロセッサ数が増え、これらを正しく作動させるための積層セラミックコンデンサの搭載数も増加。これに伴い、自動車向け積層セラミックコンデンサに対して、員数削減による面積削減および信頼性向上を図るため、小型大容量化や低ESL化(※4)による高周波特性向上のニーズが高まっていると云う。

 

同製品は非常に薄型であることから、プロセッサパッケージ裏面のはんだボールの間にも直接実装が可能なため、プロセッサパッケージの小型化にも貢献。また、コンデンサをプロセッサパッケージの裏面に実装することによりコンデンサとプロセッサダイの距離が従来の側面配置より近くなるため、さらなる低インピーダンス化(※5)が可能となり、より高周波特性に優れた回路設計を組むことができると云う。

 

一般的な積層セラミックコンデンサ(左)とLW逆転コンデンサ(右)の仕組み。

一般的な積層セラミックコンデンサ(左)とLW逆転コンデンサ(右)の仕組み。

プロセッサパッケージ裏面への実装のイメージ。

プロセッサパッケージ裏面への実装のイメージ。

 

 

ムラタは、今後も市場のニーズに対応した製品の開発を進め、自動車の高性能化・高機能化に貢献するとしている。

 

 

※1:ムラタ調べ。2020年11月4日時点。
※2:T寸法規格値:0.2 ± 0.02 mm(上限値0.22 mm)。
※3:一般的な積層セラミックコンデンサとは違い、チップの短手方向両端に外部電極を形成し、電極間距離を短くし電極幅を広げることでESL(等価直列インダクタンス)を低化させるコンデンサ。
※4)ESL(Equivalent Series Inductance):等価直列インダクタンス。一般的に、ESLはコンデンサの性能を落とすひとつの要因となり、値が低いほど良い特性のコンデンサとされる。
※5)インピーダンス:交流回路における電気抵抗のこと。プロセッサの電源回路は、一般的にデカップリングコンデンサを用いてインピーダンスを小さくすることで、電源電圧の変動を抑え安定化させる。

 

 

[主な仕様]

 

– 製品名:LLC152D70G105ME01
– サイズ(L×W×T):0.5×1.0mm×0.2mm

T寸法規格値:0.2 ± 0.02 mm(上限値0.22 mm)

– 静電容量:1.0μF
– 静電容量許容差:±20%
– 使用温度範囲:-55°C~125°C
– 定格電圧:4Vdc
– その他 :AEC-Q200(※6)準拠

 

※6:Automobile Electronics Council(車載電子部品評議会)が定める受動部品(コンデンサ・インダクタ等)向けの業界標準。

 

 

■(村田製作所)LW逆転低ESLチップ積層セラミックコンデンサ「LLC152D70G105ME01」:https://www.murata.com/ja-jp/products/productdetail?partno=LLC152D70G105ME01%23

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。