村田製作所の中国子会社である村田電子貿易(深圳)は1月22日、深圳に電波暗室(ムラタ深圳EMC(※1)センター)を新設し、EMC評価サポートを開始した。同施設では放射エミッションを含むEMC評価が可能。上海に次き、中国国内で2カ所目の電波暗室となる。
自動車市場ではクルマの急速な電子化、電動化の進展に伴い、ノイズ問題が複雑化。車載機器のEMC評価および対策には多くの時間を要するため、電子部品メーカーには、より早く最適なノイズ対策の提案が求められていると云う。
そこで村田製作所では、新たに電波暗室を新設し、また顧客と車載機器等のEMCノイズ評価を実施するEMC評価サポートを開始することとした。
これにより、今後大きな需要の伸びが期待されるEV化やCASE(※2)に向け、トータルソリューションの提供を強化する。
[評価内容]
エミッション測定では車載機器の評価だけでなく、情報機器全般の評価を行うことが可能。また、CISPR25については、class5に対応。
<放射エミッション測定>
・CISPR25(車載機器):150kHz – 2.5GHz
・CISPR32(情報機器):30MHz – 6GHz
<伝導エミッション測定>
・CISPR25(車載機器):150kHz – 108MHz
・CISPR32(情報機器):150kHz – 30MHz
※1:Electro Magnetic Compatibilityの略。電磁波による障害を受けない特性を持っていること。
※2:「Connected:コネクティッド化」、「Autonomous:自動運転化」、「Shared/Service:シェア/サービス化」、「Electric:電動化」の頭文字をとった造語。
[新施設について]
<概要>
– 施設名称:ムラタ深圳EMCセンター
– 所在地:深圳村田科技有限公司 敷地内
(広東省深圳市坪山区深圳市大工業区翠景路15号)
– 建築面積:約238㎡
電波暗室 有効寸法- 7.92(W)×5.81(L)×3.79m(H)
(計測室)有効寸法- 6.70(W)×4.50(L)×2.52m(H)
<その他設備>
・近傍磁界分布測定装置。
・各種ノイズ調査用プローブ。
<サービス内容>
・測定サポート。
・EMCソリューションの提供。
・ノイズ分析・評価。
・技術交流。
<予約方法>
近隣の村田製作所営業所まで問い合わせ。
■村田製作所:https://www.murata.com/ja-jp