村田製作所は2月9日、自動運転に対応した作業現場用車両向けに動的傾斜センシングおよび衛星測位システム(GNSS)を支援する6軸シングルパッケージ(6DoF)3D MEMS慣性力センサ「SCHA63Tシリーズ」を開発したと発表した。
この製品は、これまでハイエンド慣性測定装置(IMU)モジュールでのみ可能だった、機械の動きや位置をセンチメートルレベルで検出する性能を実現。また、安全で堅牢性を持った設計を実現する。バイアス安定性やノイズなどの主要なパラメータにおいて、コンポーネントレベルで高いパフォーマンスを発揮し、全測定軸の直交性をこの製品が校正することにより、顧客やシステムインテグレーターの追加校正を省略することも可能だという。
また、高い機械的衝撃や振動にも耐えられるように設計されているほか、特許取得済みの同社の自己診断機能は、異常検知を自己で診断し出力により通知。MEMS素子内部の動きから信号回路全体までの適切な動作が検証可能となる。車載対応品と同様にASIL D(Automotive Safety Integrity Level、自動車安全水準)システム開発も対応しており、先進運転者支援システム(ADAS)や自律航法車両、衛星測位システム(GNSS)機器などの各システムの高精度化に貢献するとしている。
この製品は、正確な慣性データを必要とし、高精度かつ高信頼性を要求されるアプリケーションに適している。衛星測位システム(GNSS)への統合により、信頼性が高く、頻繁に更新される慣性データを使用した、堅牢で正確な位置測定が可能だ。同社は主な用途として、慣性測定装置(IMU)やナビゲーションと自己位置測定、機械制御・ガイダンス、動的傾斜測定、ロボット制御や無人航空機などをあげている。
■製品仕様
– アラン分散(底値):~1°/h(室温)
– ジャイロノイズ密度:0.0015°/s/√Hz
– 角速度測定範囲:±300°/s
– 加速度検出範囲:±6g
– 動作温度範囲:−40°C~+110°C
– 電源電圧:3.0V~3.6V
– インターフェース;SPIデジタルインターフェース
– RoHS準拠のSOICハウジングコンポーネントサイズ: 19.71㎜ × 12.15㎜ × 4.6㎜(長さ×幅×高さ)、32ピン