大同特殊鋼は2月2日、同社顧問の佐川眞人氏が、世界最強の永久磁石「ネオジム磁石」の発明や開発、その世界的な商業化への功績により、工学分野で国際的に優れた技術者を表彰する、英国の「エリザベス女王工学賞(Queen Elizabeth Prize for Engineering)」を受賞したと発表した。
エリザベス女王工学賞は、画期的な技術革新により世界に多大な恩恵をもたらした個人またはグループを表彰するもので、2013年に創設され、今回の表彰で6回目を迎える。過去5回は2年に1度の表彰であったが、技術革新の素晴らしさを認識する機会を増やすことを目的に2022年から毎年の表彰に変更。受賞者には賞金50万ポンド(約7,700万円)とトロフィーが贈られる。
ネオジム磁石は、高出力・高効率が求められる電気自動車(EV)や風力発電機などのモーター、小型・軽量で強力な磁石が必要とされるロボットや自動化システム、家電など様々な分野に於いて製品の高性能化に貢献している。
[受賞に際してのコメント]
大同特殊鋼顧問・佐川眞人(さがわ まさと)氏(78歳)
「このような国際的に権威ある賞を受賞できたことを非常に嬉しく、光栄に思います。工学賞ということで、ものづくりへの貢献も認めていただいたものだと思います。これからも、ものづくりに関わっていきたいと思います。
若いエンジニアにお伝えしたいのは、周りを見ることの重要性です。社会には満たされていないニーズがあるので、それらを見つけ、解決策を考えましょう。考え続けて、アイデアが浮かんだら糸口を離さないようにして実験しましょう。実験して、目標とするものができたら、この上なくうれしいです」。
大同特殊鋼社長・石黒武氏
「このたび、当社の顧問である佐川眞人博士は“世界最強の永久磁石『ネオジム磁石』のクリーンな省エネ技術への貢献”が評価され、エリザベス女王工学賞を受賞することが発表されました。当社を代表して心よりお祝い申しあげるとともに、その偉大な功績に対し、深甚なる敬意を表します。
また、今般の佐川博士の受賞決定は、大同特殊鋼グループ全社員にとって喜びであり、誇りであります。佐川博士の傍で、我々はその高い志とあくなき探究心に触れることができ、誠に多くのことを学ばせていただいております。今後も磁石の可能性を追求し、人と社会の未来にさらなる貢献を果たしていかれることを心よりご祈念申しあげます」。