三井化学とプライムポリマー(三井化学65%、出光興産35%)は、オランダのChemelot工業区内で建設を進めてきた、欧州初のPPコンパウンド(※)拠点となる「Mitsui Prime Advanced Composites Europe(略称、ACE/三井物産との共同出資により2018年6月設立)」の営業運転を開始した。
これにより、欧州における製販研の一貫体制が整うことになり、欧州拠点の自動車メーカー、部品メーカーに対して、効果的な軽量化ソリューションを提供するとともに、グローバルでの需要拡大に対応する。
三井化学グループでは現在、世界8つの地域(日本、アメリカ、メキシコ、欧州、タイ、中国、インド、ブラジル)に製造拠点を、6つの地域(日本、アメリカ、欧州、タイ、中国、インド)に研究拠点を有し、自動車軽量化に向けたPPコンパウンドの製造・販売・研究体制を強化している。
現在自動車市場は、新型コロナウィルス(COVID-19)の影響で世界的な生産台数の減少が見込まれているが、三井化学グループは、今後も環境規制強化による軽量化ニーズは高まると予測。そのニーズに合致したPPコンパウンドを使用したバンパーやインパネ材等の需要増加の傾向は、将来的にも変わらないとの見方を示している。
三井化学グループは、軽量化技術により、今後も高品質の製品を供給する製造・販売・技術サービス体制を拡充し、さらなるPPコンパウンド事業の強化・拡大を積極的に進めていくとしている。
※)ポリプロピレン(PP):主成分のポリプロピレンPPに、他ポリマーや添加剤、補強剤などをブレンドした組成物で、自動車、家電製品などの工業分野で、汎用エンジニアリングプラスチックとして幅広く使われる。
[ACEの概要]
– 会社名:Mitsui Prime Advanced Composites Europe B.V.
– 所在地:オランダ・リンブルグ州 Chemelot工業区内
– 設立:2018年6月
– 資本金:18.4 百万ユーロ
– 出資:三井化学75%、三井物産15%、プライムポリマー10%
– 生産能力:30千t/年
– 営業運転開始:2020年6月