三井化学は、9月18日、同社グループで米国の製造拠点であるAdvanced Composites, Inc.(米国オハイオ州、社長:志手 啓二)にガラス長繊維強化ポリプロピレン(以下、長繊維GFPP)の生産設備を新設することを発表した。
概要は以下の通り。
生産設備新設の概要
1. 製品 | ガラス長繊維強化ポリプロピレン(長繊維GFPP) |
---|---|
2. 新設場所 | Advanced Composites, Inc. オハイオ工場内 |
3. 生産能力 | 3500トン/年 |
4. スケジュール(予定) | 2019年9月完工、10月営業運転開始 |
長繊維GFPPは、繊維状のガラスとポリプロピレン樹脂を溶融・混練して得られる複合材料。
軽量で、ガラス繊維が長いことによる剛性や耐衝撃性のバランスに優れていることに加え、外観性が良いことから、無塗装による自動車向けバックドアインナー等に採用されている。
昨今の環境規制の強化やEV化の進展を背景に、自動車には更なる軽量化が求められている。こうした中、例えばバックドアインナーの場合、金属の代替により約30%軽量化が可能な素材として、繊維強化樹脂の需要は増加が見込まれている。
今回の米国での長繊維GFPP製造設備の新設は、そうした北米での需要拡大に対応したものだ。
モビリティを重要分野のひとつに位置付けしている同社では、今後も世界的に拡大する需要を的確にとらえ、同分野の更なる事業拡大を進めていく方針だ。
Advanced Composites, Inc.の概要
1. 設立 | 1986年6月 |
---|---|
2. 資本金 | 1,410万USドル |
出資 | Mitsui Chemicals America, Inc.(三井化学100%)59.8% プライムポリマー3.0% 三井物産(含Mitsui Plastics, Inc. )27.0% Marubeni America Corporation 10.2% |
3. 社長 | 志手 啓二 |
4. 本社・工場 | 本社:オハイオ、工場:オハイオ、テネシー |
5. 事業内容 | PPコンパウンドの製造・販売・研究 |