三菱マテリアル傘下の三菱電線工業株式会社(以下、電線社)と、三菱伸銅株式会社(以下、伸銅社)は製品データの書き換え等を行い、顧客要求の規格値または社内仕様値を逸脱した不適合品を出荷した。(坂上 賢治)
この事実について連結親会社にあたる三菱マテリアルは、深く陳謝したと同時に現在、事実関係等の調査を取り進めると共に、出荷済製品の説明と安全性確認を実施している。また同件について、12月1日までの対応の進捗状況を下記の通り報告した。
1.顧客対応状況
電線社・伸銅社の両社は不適合品を納入した可能性のある全ての顧客への連絡を完了。今後は安全性の確認を迅速に進めていく。
また、精査中の電線社の出荷分については、11月27日以降に出荷した製品について、全て適合品であることを確認した。なお11月24日から26日は、箕島製作所の休業日でありシール材の出荷はなかったとしている。
加えて電線社に於いて顧客対応を適切かつ迅速に推し進めるため、経営陣の体制変更を実施。具体的には村田博昭取締役社長(代表取締役)を取締役職に降格。
髙柳喜弘取締役(非常勤・三菱マテリアル株式会社執行役員・金属事業カンパニーバイスプレジデント 兼 銅加工部長)を取締役社長(代表取締役)とした。なお村田博昭氏は、取締役職に於いて引き続き事態の収束に取り組んでいく。
2.取締役会の対応
併せて三菱マテリアルの取締役会は、同日付で特別調査委員会を設置し、同委員会に今不手際の事実関係・原因・影響を適切に把握し、グループ全体の再発防止策を含む策定を委嘱していくことを決議した。具体的な委員の構成は以下の通り。
(2−1)委員
委員:得能摩利子、三菱マテリアル社外取締役。
委員:渡辺博史、三菱マテリアル社外取締役。
委員:武中和昭、一般社団法人日本能率協会・常務理事。
委員:小野直樹、三菱マテリアル取締役 副社長執行役員。
委員:長野潤、三菱マテリアル経営戦略本部法務部長。
なお委員長は、社外取締役より1名を選任予定。
(2−2)調査対象
・電線社の本件事案
・伸銅社の本件事案
・当社グループの品質管理に係るグループ
・ガバナンスシステム等
・関連して特別調査委員会が必要と判断したその他の事項。
3.品質管理部の設置
グループ全体の品質管理体制の強化を図る事を目的に、品質管理に関する事項を専任する部署を設置する。具体的には2017年12月 1日付で同社技術統括本部内に「品質管理部」を新設した。
4.今後の見通し
今後業績に与える影響は現時点では不明としている。今後影響の程度が判明した時点で公表を行う予定。