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2020年11月12日【エネルギー】

三菱重工、新型ゆりかもめ納入

NEXT MOBILITY編集部

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三菱重工グループの三菱重工エンジニアリング(以下、MHIENG)は、ゆりかもめに、全自動無人運転車両(AGT:Automated Guideway Transit)の新型である7500系車両48両(8編成)の納入を完了したと、11月12日発表した。同社の運行路線「新交通ゆりかもめ(東京港臨海新交通臨海線)」で1999年から運行する7200系車両の後継として、2016年9月に受注したもの。今回の納入により同路線の車両はすべてMHIENG製となる。

 

 

1995年11月に開業した新交通ゆりかもめは、新橋駅から豊洲駅まで都心と東京臨海副都心の16駅を結ぶ14.7㎞の公共交通機関で、沿線には汐留および臨海副都心のシンボル地区であるお台場や有明などを中心に数々の観光スポットならびにコンベンションホールなど集客施設があり、1日の平均利用者数は約13万人(2019年度実績)。

 

 

MHIENGは2010年(当時は三菱重工)に、開業当時から運行する7000系車両の後継である7300系車両108両(18編成)をすべて受注し、2016年6月に納入を完了した実績がある。追加受注した7500系については、第1編成が2018年11月に営業運転を開始して以降、現在までに全8編成が運行されてる。MHIENGは納入後のアフターサービスにも注力し、安全・安心な運行を支援している。

 

 

新型7500系車両は、「臨海部を彩る新しい風」をコンセプトに、より未来的な風景を創出するフェイスデザイン(注1)とし、車内の利便性と快適性を向上させた。軽量で高い耐久性とリサイクル性を備えたオールダブルスキンアルミ構体を採用し、揺れを低減し乗り心地を向上させた台車のT-smover(注2)や、快適な座り心地を提供し足の投げ出しを防止するセミハイバックバケットシートのG-Fit(注3)を搭載している。また有人運転と無人運転の識別のため、今回新たに車両の前面に青色LEDによる発光式自動運転灯を装備。車内には案内表示装置を全扉上に2画面設置するなど、車内外に新たなトレンドを盛り込んでいる。

 

 

AGTシステムは、電力駆動により完全自動走行する新交通システムで、ゴムタイヤ方式を採用しているため走行が滑らかかつ低騒音であるのが特徴。さらに、車両は内燃機関による駆動ではなく電力駆動(モーター)であるため、CO2を排出せずクリーンモビリティとして、脱炭素・省エネルギー社会に向けた環境負荷低減を実現している。MHIENGのAGTは、米国ではマイアミ、ワシントン・ダレス、アトランタ、オーランド、タンパの各空港で運行されており、質の高いO&M(運用・保守)サービスにより高い稼働率を誇っている。そのほか、シンガポール、韓国、ドバイなど世界各地ならびに日本国内で豊富な実績があり、国内外の新交通システム市場でトップを争う地位にある。

 

1「風の流れ」や「ゆりかもめの翼」などを表現。https://www.yurikamome.co.jp/feature/vehicle/eighth.html

2軽量、高耐久性、低振動、低騒音、メンテナンスの容易性を備えた台車。

3快適性を追求した次世代の通勤用車両シートで、一般的なシートと比較して背もたれが高く、全身を包みこむ形状をしている。

 

 

MHIENGは、2018年に三菱重工から交通システム事業を継承し、国内はもとより米国、アジア、中東の主要ハブ空港などに多様な製品を納入してきた。これまで積み重ねてきた確かな技術と豊富な実績を生かし、今後も国内外の都市交通や空港向けに営業活動を展開するとしている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。