2020年のデモ走行でニュージーランドのワイヘキ島を走る電気小型トラック「eCanter」
三菱ふそうトラック・バス(以下、MFTBC)は3月9日、ニュージーランドの販売代理店FUSOニュージーランドが同国エネルギー資源大臣およびエネルギー効率・保全局(Energy Efficiency and Conservation Authority)から助成金を受給したことを発表した。
助成対象となる電気小型トラック「eCanter」6台のうち5台は、オークランド市のゼロ・エミッション・エリアで実施する物流事業者による一年間の実証試験で使用される。この取り組みは、オークランド有数の密集エリアで大気汚染物質の排出量を低減させることを目指し、低排出ガス車両の普及を推進するもの。
この実証試験を通じて、物流事業者と同市の交通基盤を担うオークランド・トランスポート社は、「eCanter」などの電気トラックの採用による市内の交通や配送への影響に関する知見を得ることを目的としている。1台はFUSOニュージーランドが所有し、数か月以内に本格的に市場投入することを踏まえ、顧客向けのプロモーション車両として使用する。
ニュージーランドの首都ウェリントンの郊外を走行する「eCanter」
助成金は、ニュージーランド政府による新たな低排出ガス交通プロジェクトを支援する取り組みの一環であり、エネルギー効率・保全局(Energy Efficiency and Conservation Authority)が運営する低排出ガス車両競合基金(Low Emission Vehicle Contestable Fund)が、全22件のプロジェクトに対して総額370万NZドルを拠出する。同基金はニュージーランド国内で現在稼働中の450箇所以上のEV充電ステーションに対する資金援助も行っている。
日本や各国政府の脱炭素に向けた動きが加速する中、現在200台以上の「eCanter」が米国、欧州、日本で稼働しており、総走行距離はグローバルで300万km以上に到達しているという。同社は、騒音がなく、排出ガスゼロの「eCanter」は都市内の騒音やCO2の低減に貢献するソリューションとして、国内外の顧客から高い評価を得ているとしている。