AIの導入も検討中
現在、このような国内外での実証実験を重ねることで、2020年以降の実用化を目指す同社だが、課題は「国による地形パターンの違い」だという。
実用化には、どのようなエリアでも高い安全性と快適性が求められるだけに、この課題のクリアが現在の目標のひとつとなっている。
また、主に高速道路での実証実験を行っている同社だが、一般道でも例えば、車での移動が不可欠な中山間地域といった限定地域での実用化の可能性もあるという。
高齢化と人口減少が進むそのようなエリアでは、バス等の公共交通機関の路線減少や撤退といった問題を抱える地域も多く、お年寄りが買い物や医療機関等へ移動する手段として自動車は不可欠。だが、一方で高齢者の運転による自動車事故の増加も社会問題化している。
そのような課題に対するひとつの解決策として、自動運転技術の活用が見込めるという訳だ。
ただし、一般道の場合は高速道路と違い、歩行者や自転車の飛び出し回避等、より細かい認知・判断が要求される。
同社の「xAUTO」には、センシングや衛星からの情報等から状況を判断し、自動車に適切な動作を司令するいわば頭脳、独自の「ADAS-ECU」を採用。
将来的には、これにAI(人工知能)を搭載しディープラーニングさせることで、一般道でも安全な自動走行ができるような、より細かく的確な判断を可能にする技術も開発中だ。
ちなみに、同社では、2015年から独自のAI技術ブランド「Maisart(マイサート)」を展開している。
「コンパクトな人工知能(AI)」をはじめとする同社のAI基盤技術および応用技術などが、自動運転技術の領域にも今後活用される可能性がある。