三菱電機は4月24日、同日開催の執行役会議で、自動車機器事業の抜本的構造改革を実施することを決議したと発表した。
BA(ビジネスエリア)経営体制を昨年導入し、BA単位での経営への移行と権限移譲を進める三菱電機では、現在、経営戦略として掲げる事業ポートフォリオ戦略の強化に取り組んでいると云う。
また特に、CASE(※1)をはじめ、産業構造が急速に転換、その収益改善が課題となっている自動車機器事業については、意思決定プロセスを簡素化し、よりスピーディーな事業運営を行うため分社化。一段の「事業運営の効率化」と「事業ポートフォリオの再構築」を図るとしている。
<自動車機器事業構造改革の主要3項目>
①市場ポテンシャルが大きく、巨額投資を必要とするCASE関連事業(電動化・ADAS/※2)については、選択と集中の上で、技術シナジーが見込める良好なパートナーとの協業を模索し、三菱電機の先端技術を活用して、事業として成長軌道に乗せることを目指す。
②電動パワーステアリングシステム製品などの強みが活かせる事業については、コスト削減と効率化の推進に加え、価格転嫁の加速など取引先との取引条件の見直しや、不採算プロジェクト・機種から収益性の期待できるプロジェクト・機種にリソースを集中し、成長を目指す。
③カーマルチメディアを始めとする課題事業については、収益改善の難しさ等を勘案し、早期に事業終息を進める。
三菱電機は、以上構造改革の詳細等について、確定次第、速やかに開示するとしている。また分社化については、会社分割により実施する予定で、現時点では、その具体的な方法や内容、時期は確定していないが、今後1年以内を目安に自動車機器事業に係る新会社の設立を目指すとしている。
※1:「Connected(つながる)」「Autonomous(自動化)」「Shared & Service(利活用)」「Electric(電動化)」の頭文字を取ったモビリティ変革を表す言葉。
※2:Advanced Driver Assistance System(先進運転支援システム)の頭文字を取った言葉。