三菱電機は11月20日、約100億円を投資して、パワーデバイス製作所の福岡地区にパワー半導体のモジュール組立・検査工程を担う新工場棟を建設する(※)と発表した。
なお、新工場棟の稼働は2026年10月からとなる予定。同社は、新工場棟の建設に当たって、福岡県より2回目のグリーンアジア国際戦略総合特区の法人指定を受けていることから、この優遇制度を活用し、パワーデバイス製作所福岡地区に於ける生産体制を強化していくとしている。
近年、脱炭素社会の実現に貢献するキーデバイスとして、電力を効率よく変換するパワー半導体の需要が拡大。なかでも、インバーターの小型・軽量化や設計簡素化に貢献するパワー半導体モジュールは、電気自動車(EV)をはじめ、民生機器や産業用機器、再生可能エネルギー機器、電鉄などの様々な分野で活用されており、引き続き市場拡大が予測されている。
三菱電機は今回、パワー半導体モジュール組立・検査工程のマザー工場であるパワーデバイス製作所の福岡地区に新工場棟を建設し、敷地内にあるモジュール組立・検査工程の製造ラインの一部を集約して部材受入から製造、出荷までの生産工程を効率化する。
また、進捗管理や自動搬送などを行う生産管理ツールを導入することにより、生産性の向上を図ると共に、製品開発力を向上すべく、設計・開発・生産技術検証から製造までを一貫して行う体制を強化する。
※(三菱電機)三菱電機 SiCパワー半導体の生産体制強化に向け新工場棟を建設 (2023年3月14日付ニュースリリース)
<新工場棟の概要>
– 所在地:福岡県福岡市西区今宿東1丁目1番1号(パワーデバイス製作所 福岡地区内)
– 延床面積・構造:延床面積:約25,270㎡、鉄骨(S)造、5階建て
– 担当生産工程:パワー半導体モジュール組立・検査工程
– 環境・省エネ対策:
・クリーンルームに換気効率の高い空調システムを採用。
・高効率機器の導入(変圧器、パッケージエアコン)。
・太陽光発電設備の設置。
– 稼働開始:2026年10月予定
– 投資金額:約100億円
三菱電機は、今後拡大が見込まれるパワー半導体の需要に対して、市場ニーズに合わせた製品を迅速かつ安定的に供給することで、各分野のパワーエレクトロニクス機器の省エネ化を加速させ、GX(Green Transformation)に貢献していくとしている。