上の写真は三菱電気の自動車用パワー半導体モジュール、JシリーズIPM(TYPE−A)
三菱電機は6月11日、シャープから同社の福山事業所(広島県福山市)の一部の土地と建屋を取得し、パワー半導体製品の製造を担うパワーデバイス製作所の新製造拠点(ウエハプロセス工程)を開設することを発表した。(坂上 賢治)
シャープから譲り受けた福山事業所をベースに新製造拠点を開設する理由は、低炭素社会の実現に向けて世界的な省エネや環境保護志向の高まりが拡大していること。さらに各国での自動車の電動化政策がコロナ禍のなかでも大きく進展していることにある。このため電力を効率よく制御するパワー半導体製品の需要が増加しているのだ。
そこで三菱電機は、こうした需要の増加にできる限り迅速に対応するべく、予てより新たな製造拠点設置の検討を進めてきた。
しかし新たな次世代製品の製造に相応しい地域であり、拠点を探し当てることは早々簡単には進まず、そうしたなかシャープから同社の福山事業所の一部の土地と建屋を取得することが進み、今回、合意に達した。三菱電機では「これにより次世代製品の生産能力を拡大し、パワーデバイス事業のさらなる拡大を目指します」と話している。
新製造拠点の概要は以下の通り
所在地 :広島県福山市大門町旭1番地
建屋面積・構造 延床面積 :約46,500m2、3階建て
生産品目 :パワー半導体製品
用途 :ウエハプロセス工程
稼働開始 :2021年11月予定
投資金額 :約200億円(土地・建屋・既存設備の取得、今後の設備投資を含む)