三菱電機は、48時間を超える長時間連続運転での超高精度加工に加え、1台で小型精密電子部品からモーターコアなどの中型自動車用駆動部品まで、多様な高精度金型加工が可能な油加工液仕様ワイヤ放電加工機の「MX900」を、5月16日に発売する。
[新製品の特長]
1.高精度駆動システムや高剛性鋳物採用で長時間連続の高精度加工を実現
・高推力シャフトリニアモーターと超高剛性リニアガイドを組み合わせた高精度駆動システムにより、加工時の微小な軸振動をサブミクロン(1μm以下/※1)レベルまで低減し、業界最高水準の加工面の粗さ0.4μmRz(超硬合金厚さ80mm)を実現。
・土台部分に従来比(※2)約50%高重量の高剛性鋳物を採用することで、歪みや経年劣化などによる機械変位を最小限に抑制。また、リニアガイド取り付け面の超高精度研削加工と同社組み付け技術により、サブミクロンの機械真直度を実現。
・機械本体から加工電源などの熱源を分離し、独自制御技術「サーマルバスター(※3)」を搭載することで、機械本体の熱変位を抑制し、48時間を超える長時間の連続した高精度加工が可能。
※1)1マイクロメートル:1000分の1mm。
※2:小型機種MV1200/MP1200/MX600の土台鋳物重量比。
※3:機械温度を加工液温度と同調制御し熱変位を抑制するための独自技術。
2.多様な高精度金型加工と連続自動運転による生産性の向上
・X軸300mm×Y軸300mmの軸移動により、小型精密電子部品から、直径100mm~250mmの中型自動車用駆動部品まで、一台で多様な高精度金型加工に対応。
・ワイヤ電極を油加工液中で自動結線する「Intelligent AT(※4)」の搭載により、自動結線動作が向上し、複数金型の連続加工を実現。
※4:ワイヤ線の張力制御、真直処理(アニール処理)、搬送制御などの独自技術を搭載した自動結線装置。
3.制御装置「D-CUBES」の搭載と三面昇降加工槽による、作業効率を向上
・標準搭載の制御装置「D-CUBES(ディーキューブ/※5)」を搭載し、19インチ大画面タッチスクリーンでの操作ナビゲーションにより、段取りから加工までの操作数を従来比で最大40%削減(※6)。
・本体の左右からも加工物を設置可能な三面昇降加工槽を搭載し、段取りの作業効率を大幅に向上。
※5:2016年発売の加工機の動作を数値制御する装置。さまざまな情報を収集・蓄積し、機械の遠隔保守や稼働管理を支援する同社のリモートサービス「iQ Care Remote4U」にも対応。
※6:三菱電機製「MVシリーズ」の指定操作数との比較において。
[発売の概要]
<製品名、型名、標準価格(税抜き)、発売日、販売目標>
– ワイヤ放電加工機、MX900、4,000万円、5月16日、2019年度30台
[問い合わせ先]
三菱電機株式会社 産業メカトロニクス事業部
電話: (03)3218-6540
FAX: (03)3218-6822