三菱電機は、フルSiC(※1)パワー半導体モジュールと高密度実装技術の適用により、出力容量400kVA機種で、世界最小(※2)の体積2.7Lと世界最高(※2)の電力密度150kVA/Lを実現した「ハイブリッド車(HEV、PHEV/※3)用超小型パワーユニット」と、非対称回転子構造により世界最高クラス(※4)の出力密度23kW/Lを達成した「高出力密度モーター」を開発した。
なお、この開発技術は、電気自動車(EV/※5)への適用も可能だと云う。
自動車市場では、環境・燃費規制の強化が進み、これに対応するハイブリッド車や電気自動車など電動車両の需要が拡大。普及が進むハイブリッド車では、ガソリンエンジンのパワートレイン(※7)に加えて電動化コンポーネントの設置空間を確保するため、パワーユニットとモーターの小型化が求められている。
三菱電機は、ハイブリッド車向けに世界最小の体積2.7Lで世界最高の電力密度150kVA/Lの超小型パワーユニットと、出力密度が23kW/Lの高出力密度モーターを開発、これら機器の小型化を実現した。
今後、量産化に向けた開発を行い、モーターは2020年度以降、パワーユニットは2024年度以降の事業化を目指すとしている。
[開発の特長]
■世界最小体積2.7Lで世界最高電力密度150kVA/Lのハイブリッド車用パワーユニットを開発
・高密度実装を適用した三菱電機製フルSiCパワー半導体モジュールと、SiCのもつ高速スイッチング特性を生かした高周波駆動により、パワーユニット内の部品を大幅に小型化。
・パワーユニットとして、世界最小の体積2.7Lと、世界最高の電力密度150kVA/Lを達成。
■高トルク集中巻モーターで世界最高クラスの出力密度23kW/Lを達成
・非対称回転子構造の採用により、前進方向への回転トルクを高め、集中巻(※6)モーターで出力密度を向上。
・高効率な冷却構造により、磁力性能の高い磁石を採用
※1)Silicon Carbide:炭化ケイ素。
※2:2月13日現在、三菱電機調べ。2モーター方式ハイブリッド車に対応した2つのインバーターと1つのコンバーター構成のパワーユニット。
※3:Hybrid Electric Vehicle, Plug-in Hybrid Electric Vehicle。
※4:2月13日現在、三菱電機調べ。2モーター方式ハイブリッド車に対応した駆動用モーターの同一条件での比較の場合。
※5:Electric Vehicle。
※6:ステーター鉄芯の1個のティースにコイルを巻きつける構造。
※7:エンジンで作られた回転力を駆動輪に伝える装置類の総称