三菱電機は11月5日、パワー半導体の新製品として「SiC-MOSFET 1200V-N シリーズTO-247-4 パッケージ」6品種のサンプル提供を11月に開始すると発表した。
同製品は、従来の3端子構成パッケージのソース端子を、電力用のパワーソース端子とゲート駆動用のドライバソース端子に分離した4端子構成の「TO-247-4パッケージ」を採用。三菱電機では、この採用により従来品と比べてスイッチング損失を約30%低減し、高電圧での電力変換を要する車載充電器や太陽光発電機などのさまざまな電源システムの低消費電力化・小型化に貢献するとしている。
■新製品の特長
1.4端子パッケージの採用により、電源システムの低消費電力化と小型化に貢献
・高い誤動作耐量※1と性能指数(FOM=1450mΩ・nC)※2を特長とするSiC-MOSFET チップを、従来品に新たにドライバソース端子を備えた4端子のTO-247-4パッケージに搭載
・4端子パッケージにより、これまで高速スイッチング時の課題であったソース端子での寄生インダクタンスを低減させてゲート電圧の低下を抑制。従来品と比べてスイッチング損失を約30%低減
・スイッチング損失低減による放熱機器の小型・簡素化や、高キャリア周波数※3駆動によるリアクトルなどの周辺部品の小型化により、システム全体の低消費電力化と小型化に貢献
※1 誤動作(セルフターンオン)耐量をCiss/Crss(入力容量/帰還容量)として算出(当社調べ)
※2 FOM(Figure of Merit):パワーMOSFETの性能指標。数値が小さいほど電力損失が小さくなるなど性能が優れる。Tj=100℃時のオン抵抗とゲート・ドレイン間電荷量の積として定義
※3 インバーター回路におけるスイッチング素子のON/OFFタイミングを決める周波数
2.AEC-Q101準拠3品種を含む計6品種をラインアップし、幅広い用途に対応
・AEC-Q101※4に準拠した3品種を含む計6品種をラインアップ。太陽光発電機などの産業用アプリケーションだけでなく、電気自動車用途にも対応
・従来品と比べ、ドレイン端子とソース端子間の沿面距離※5を拡大。塵や埃が積もりやすい屋外設置向けなど沿面距離が求められる電源システムにも対応
※4 Automotive Electronics Council(車載電子部品の品質規格)
※5 導電部と機器の外面との間の最短距離