三菱電機は12月17日、電鉄・電力などの大型産業機器向け大容量パワー半導体モジュールの新製品として、耐電圧3.3kV・絶縁耐圧10kVrmsの高電流密度dualタイプにおける業界最大の定格電流600Aを含む「HVIG(High Voltage Insulated Gate Bipolar Transistor)BTモジュール Xシリーズ dualタイプHV100」2品種のサンプル提供を2021年4月から順次開始すると発表した。
同製品は高絶縁耐圧を必要とする大型産業機器向けの多様なインバーターの高出力・高効率化とシステムの信頼性向上に貢献するとしている。
◾️新製品の特長
1. 業界最大の定格電流600Aで、インバーターの高出力・高効率化に貢献
• 耐電圧3.3kV・絶縁耐圧10kVrmsの高電流密度dualタイプにおいて、業界最大の定格電流600Aを実現し、インバーターの高出力・高効率化に貢献<600A品>
• CSTBTTM※1構造を採用した第7世代IGBT・RFCダイオード※2の搭載により、Siモジュールとして、業界最大※2の電流密度8.57A/cm2を達成<600A品>
※1 キャリア蓄積効果を利用した三菱電機独自のIGBT
※2 Relaxed Field of Cathode:カソード側の電子移動度を最適化した同社独自のダイオード
2. 高絶縁耐圧と容易な並列接続を実現し、多様なインバーター構成・容量に対応
• 絶縁耐圧10kVrmsの高電流密度dualタイプにより、低消費電力化に有効なマルチレベル回路における絶縁設計の簡素化に貢献
• 端子配列の最適化により並列接続が容易となり、インバーターの設計効率化に貢献
• システム構成時の柔軟性・拡張性が向上し、多様なインバーターの回路構成や容量に対応
3. 新パッケージ構造により、インバーターシステムの高信頼性に寄与
• 絶縁板と放熱板の一体化によるサーマルサイクル寿命※3と、パワー半導体チップの放熱性の改善によるパワーサイクル寿命※4を向上し、高信頼性に寄与
※3 比較的長時間の温度サイクルでケース温度を変化させた場合の寿命
※4 比較的短時間の温度サイクルでチップ温度を変化させた場合の寿命