三菱電機は、帝人のグループ関連会社であるマーベリックパートナーズと共同で、プラスチックに配合するだけで、砂塵やほこりなどの親水性汚れと、すすや油煙などの疎水性汚れの両方の付着を抑制する新素材「デュアルバリアマテリアル」を世界で初めて(※1)開発した。
三菱電機では、今秋発売予定のルームエアコンの新商品をはじめ、家電製品など幅広い製品に汚れ対策として順次適用する。
デュアルバリアマテリアルは、親水性素材(親水性ポリマー)と撥水撥油効果のある特殊疎水性素材の2つの素材を混ぜ合わせた、プラスチックの原料に配合し成形するだけで、親水性と疎水性の両方の汚れを抑制する素材。
2つの素材の溶融粘度の違いと素材同士の親和性により、プラスチックの表面に高濃度で露出することで、成形したプラスチックの表面に汚れが付着しても、デュアルバリアマテリアルの親水性部分と疎水性部分の両方に触れて不安定な状態となり、汚れの付着を抑制。
掃除(お手入れ)の頻度を低減するとともに、機器の性能維持に貢献すると云う。
また、家電製品やOA機器、雑貨などに幅広く使用されるスチレン系(※2)、オレフィン系(※3)などの汎用プラスチックに対応。
従来の製造工程を大幅に増やすことなく、プラスチック原料の調色工程での配合が可能なため、外観部品の意匠性も維持。滑りやすさや防カビ性などの他の複数の機能性素材の配合もできる。
今後三菱電機は、今秋発売予定のルームエアコンの新商品をはじめ、家電製品など幅広い製品に汚れ対策として、デュアルバリアマテリアルを順次適用。また、樹脂関連の販売代理店を通じた同素材の外販も予定している。
※1:2019年7月23日現在。三菱電機調べ。
※2:ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)など。
※3:ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)など。
[問い合わせ先]
三菱電機株式会社 静岡製作所 ルームエアコン製造部先行開発グループ
電話:054-287-3225