三菱電機は、光で車の動きを事前に周囲の歩行者や車両に伝えて事故を未然に防ぐ「安心・安全ライティング」を進化。
実用化に向けて新たに、「アニメーションを利用して悪天候時でも判別しやすい表示」「ドア開け・後退時に車外センサーと連動してより注意を喚起する表示」「表示図形の見え方を検証できる設計ツール」を開発した。
三菱電機では、安心・安全で快適な車社会のため、今後、周囲の歩行者や車両とのコミュニケーションを促進する分野の需要が高まると考えていると云う。
自動運転の実現に向けた課題として、車の挙動が歩行者や他の車両には分かりにくいため、車とその周囲とのコミュニケーション技術の向上が求められていること。
現状の課題として、歩行者の交通死亡事故の約6割が、18時から6時までの夜間の時間帯に発生しており(交通事故総合分析センター 平成28年版統計データ)、ライトを使った安全性向上が求められていること。
これらニーズに応えるため、同社は、光で車の動きを事前に周囲の歩行者や車両に伝え、事故を未然に防ぐ「安心・安全ライティング」を開発したとしている。
その一例として、昨年の10月、「後退をお知らせする表示」「ドアを開けることをお知らせする表示」を発表。
今回、実用化に向けて新たに、「アニメーションを利用して悪天候時でも判別しやすい表示」「ドア開け・後退時に車外センサーと連動してより注意を喚起する表示」「表示図形の見え方を検証できる設計ツール」の開発に至った。
三菱電機は、「安心・安全ライティング」の今後の展開について、実用化に向けた研究開発を継続し、2020年度以降の事業化を目指すとしている。
[開発の特長]
1.アニメーション利用や車外センサーとを連動させて、より分かりやすい表示
<アニメーションを利用して悪天候時でも判別しやすい表示>
・大きな図形のアニメーションで、悪天候時でも歩行者などが判別しやすい表示を実現
<ドア開け・後退時に車外センサーと連動してより注意を喚起する表示>
・車外センサーの検知領域に入った歩行者に路面の表示図形を点滅させて注意を喚起
・同時に運転席のドアノブ近くのライトを点滅させ、運転者の注意も喚起
2.三次元グラフィックスを用いた設計検証ツールにより、デザイン品質を向上
<表示図形の見え方を検証できる設計ツール>
・実車搭載前に路面に表示する図形の様々な角度からの見え方を検証
・車の状態や表示するアニメーションのパラメータなどを変更でき、状況に応じたデザインを実現
[問い合わせ先]
三菱電機株式会社 デザイン研究所:
http://www.MitsubishiElectric.co.jp/corporate/randd/inquiry/index_id.html