三菱ケミカルは3月11日、バイオエンジニアリングプラスチック(以下、バイオエンプラ)「DURABIO(デュラビオ)」が、いすゞ自動車の小型トラック「ELF(エルフ)」、中型トラック「FORWARD(フォワード)」、大型トラック「GIGA(ギガ)」の交差点警報およびブラインドスポットモニター(BSM)用レーダーカバーに採用されたと発表した。なお、デュラビオのトラック部品への採用は初。
現在、三菱ケミカルでは、トラックなど商用車を含めた自動車業界のCASE化(※)によって増加が見込まれる、車内外のレーダーやセンサーに対応する素材として、バイオエンプラ「デュラビオ」の用途展開を加速していると云う。
再生可能な植物由来原料であるイソソルバイドを用いたデュラビオは、耐衝撃性、耐候性、耐熱性等において、一般的なエンプラよりも優れた物性を有し、顔料を配合するだけでつややかで光沢のある表面を作ることが可能。さらに、表面が硬くて擦り傷が付きにくいといった特長から、塗装・コーティング工程が不要なため、製造時に塗料から発生するVOC(揮発性有機化合物)も低減。これら特性から、自動車の内外装意匠部品への採用が進んでいると云う。
いすゞは、デュラビオの塗装レスカバーにより、電波の遮蔽される懸念や、検知エリア・感度の質の維持ができること、また外装材に求められる耐衝撃性や耐候性といった物性に加え、環境配慮型の素材であることなどを、自社のCSRの考え方に合致すると評価。今回、3車種の車両・歩行者などを検知するレーダーのカバーに、デュラビオを採用した。
三菱ケミカルは今後も、デュラビオの用途展開を通じて、環境にやさしいクルマづくりに貢献していくとしている。
※2016年頃から普及しつつある、「Connected(コネクテッド)」「Autonomous(自動運転)」「Shared & Services(シェアリングとサービス)」「Electric(電動化)」の頭文字をつなげた、車の進化する方向を示す言葉。
■(三菱ケミカル)DURABIO(デュラビオ):https://www.m-chemical.co.jp/products/departments/mcc/sustainable/product/1200363_7166.html