三菱ケミカルは2月8日、エンジニアリングプラスチックス(以下、エンプラ)事業の強化に向け、持分法適用会社である「三菱エンジニアリングプラスチックス(以下、MEP)」の一部株式を、来年4月3日付で三菱ガス化学に譲渡し、同時にMEP事業の一部を吸収分割により取り込むなど、事業の再編のための施策を実施すると発表した。
三菱ケミカルホールディングスグループは、経営方針「Forging the future 未来を拓く」に沿って、効率性を追求した事業運営と事業の成長力を引き出すという戦略の下、全てのステークホルダーにとっての価値の最大化を目指し、ポートフォリオ改革を推進。
今回の再編では、MEPから吸収分割で取得する「ポリブチレンテレフタレート(以下、PBT)事業」および「XANTAR(ザンター)」を含む特殊ポリカーボネート(以下、PC)事業のより一層の高付加価値化を行うと共に、重合技術やコンパウンド技術などを軸に、保有するバイオエンプラ「DURABIO(デュラビオ)」をはじめとする各種エンプラ事業と共に、高機能ポリマー事業として持続的成長を目指す。
また、同社の広範な海外拠点など、グローバルネットワークの活用や幅広い技術面でのシナジーの発揮により、エレクトロニクスやモビリティ、メディカルなどの成長分野に於ける高付加価値戦略の下、事業拡大を一層加速させ、併せてサステイナブル資源の利用やリサイクル技術の開発など、カーボンニュートラル実現に向けた新たな価値の提供に於いても、積極的に取り組んでいくとしている。
MEPの株式譲渡・事業再編の概要
MEPは、1994年の三菱ケミカルと三菱ガス化学の折半出資による設立以降、国内外27カ所に事業拠点を拡大。現在、PC販売で世界シェア10%超(第3位)を誇る。
今回の再編では、三菱ケミカルがMEPの株式25%を三菱ガス化学に来年4月3日付で譲渡(譲渡後の株式保有比率は25%に)。MEPは三菱ガス化学の連結子会社となるが、PC製造・販売会社として事業を継続、その他の事業を、三菱ケミカルと三菱ガス化学グループにそれぞれ譲渡(吸収分割)する。
三菱ケミカルは、MEPのPBT事業とXANTARを含む特殊PC事業を吸収分割の形で取り込み、事業の強化・拡大につなげていく。また、今回の再編により、MEPはPC専業会社として三菱ガス化学の連結子会社となるが、三菱ケミカルも出資(25%)を継続し、福岡事業所で高品質PC製品の製造を同社から請け負うなど、一定の役割を果たしていく。
[参考:MEP異動について]
1.異動する子会社の概要
– 名称:三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社
– 所在地:東京都港区東新橋一丁目 9 番 2 号
– 代表者の役職・氏名:代表取締役 駒谷 隆志
– 事業内容:エンジニアリングプラスチックスの販売
– 資本金:3,000百万円
– 設立年月日:1994年3月
– 大株主及び持株比率:三菱ケミカル:50%/三菱ガス化学:50%
– 三菱ケミカルと当該会社との間の関係
・資本関係:三菱ケミカルは当該会社(MEP)の株式50%を保有。
・人的関係:三菱ケミカルの従業員が当該会社の取締役及び監査役を兼務。また、三菱ケミカルの従業員が当該会社に出向。
・取引関係:当該会社は、三菱ケミカル製品(エンジニアリングプラスチックス)を販売。
2.譲渡株式数、譲渡価額および譲渡前後の所有株式の状況
– 異動前の所有株式数:30,000株(議決権所有割合:50%)
– 譲渡株式数:15,000株(議決権所有割合:25%)
– 譲渡価額:相手方との契約上の守秘義務により非公開
– 異動後の所有株式数:15,000株(議決権所有割合:25%)
3.日程
– 株式譲渡契約締結日:2022年2月8日
– 株式譲渡実行日:2023年4月3日(予定)
■三菱エンジニアリングプラスチックス:https://www.m-ep.co.jp/
■三菱ケミカル:https://www.m-chemical.co.jp/
■三菱ガス化学:https://www.mgc.co.jp/