三菱ケミカルは、ドイツにある炭素繊維リサイクル事業を手掛ける「CFK Valley Stade Recycling(以下、CFK)」および、「carboNXT(以下、cNXT)」を、グループ会社であるスイスの「Mitsubishi Chemical Advanced Materials(以下、MCAM)」を通して買収(※1)することを決定した。なお買収は、8月上旬を目途に完了する予定。
三菱ケミカルは、三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる中長期経営基本戦略「KAITEKI Vision 30」の下、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の推進をKAITEKI(※2)実現のキーエレメントと位置付け、製品のリサイクルをその重要な取り組みの一つと考えていると云う。
CFKは、モビリティを中心とした顧客から炭素繊維を使用したプリプレグなどの中間材を加工する際に発生する端材を回収するネットワークと、回収した端材をリサイクルする技術を保有。cNXTは、係るリサイクル製品の販売を行っている。
三菱ケミカルは今年、炭素繊維プリプレグメーカーであるc-m-p社(※3)、エンジニアリングプラスチックリサイクルを手掛けるMingerグループ(※4)を買収しており、今回の炭素繊維リサイクル事業会社2社の買収により、日本に続き欧州においても炭素繊維と炭素繊維コンポジットの製造から製品回収、リサイクルまでのチェーンを確立(※5)。
今後は、リサイクルした製品を再度原料としてグループで利用することにより、顧客に対して製品のリサイクルも含めたトータルソリューションを提案していくとしている。
※1:買収は、株式取得ではなく、製造設備等の資産譲渡及び営業権その他一切の権利義務の承継を行う方式を採用。
※2:三菱ケミカルホールディングスグループのオリジナルコンセプトで、「人、社会、そして地球の心地よさがずっと続いていくこと」を表す。
※3:(三菱ケミカル)欧州における炭素繊維プリプレグメーカーの買収について(2020年1月21日付けプレスリリース):https://www.m-chemical.co.jp/news/2020/1208172_7469.html
※4:(三菱ケミカル)欧州におけるエンジニアリングプラスチックのリサイクル会社の買収について(2020年2月26日付けプレスリリース):https://www.m-chemical.co.jp/news/2020/1208423_7469.html
※5 日本では、子会社の新菱が炭素繊維リサイクル事業を行っている。
■CFK Valley Stade Recycling(英語):https://www.cfk-recycling.de/index.php?id=57
■carboNXT GmbH(英語):https://www.carbonxt.de/en/