三菱ケミカルは、ポリ塩化ビニル(PVC)系エラストマー「サンプレーン」の耐寒性を大幅に高めた新シリーズの本格的な販売を開始した。
サンプレーンは、PVCが本来有する成形性・耐油性等に加え、独自のコンパウンド技術によって、ゴム弾性等の機械特性や上質な意匠性などが付加されたPVC系のエラストマーで、自動車・建材分野等の幅広い分野で採用されている。
一般的にPVCは、機械特性の温度依存が高く、使用環境による影響が受けやすい素材とされ、低温環境下ではPVCが硬くなることでゴム弾性が低下する。
今回、同社が開発した新シリーズは、独自のポリマーアロイ技術により、サンプレーンが従来有する特長を保ちつつも、耐寒性を大幅に向上。低温環境下であっても物性変化が少なく、高いゴム弾性を発揮するとのこと。
既に国内自動車メーカーの自動車外装モールに採用されており、走行時の異音(風切音)発生を防ぐことができる素材として高い評価を得ていると云う。
三菱ケミカルでは、「サンプレーン」の新シリーズについて、今後大きな需要が見込まれることから、国内だけではなく米国などの海外拠点での生産も検討しており、グローバルに用途開拓を進めていく予定だとしている。