三菱ケミカル(以下、MCC)とグループ会社のMUアイオニックソリューションズ(以下、MUIS)は2月2日、両社が共有するリチウムイオン(Li-ion)二次電池に関する特許(欧州特許出願番号 06 83 2384.9号)が欧州で成立したと発表した。
特許は、車載用Li-ion二次電池の主流となるニッケル含有正極材と、ジフルオロリン酸リチウムを含む電解液との組み合わせに関するもので、既に日本、米国、中国、韓国においては成立。今回、電気自動車(EV)の需要が伸長している欧州で、新たに特許が認可され、ドイツで権利が成立した。
近年、車載用電池では、電池の高容量化のため、単位体積当たりのエネルギー貯蔵量が大きなニッケル含有正極材が用いられている。
この特許技術は、ジフルオロリン酸塩が有効成分として作用し、特にニッケル含有正極材を使用した電池の出力特性、および繰り返し充放電に伴う容量維持特性を同時に向上させることができることから、車載用途において期待される高寿命・高出力・高速充電可能な電池の構築に極めて有用な技術だと云う。
なお、MCCとMUISは、この特許以外にも車載用リチウムイオン二次電池向け材料に関する特許を数多く保有している。
MCCとMUISは、化石燃料消費の抑制や二酸化炭素の排出低減等の環境問題への解決策だけでなく、次世代モビリティー社会の実現といった観点から、欧州を含む全世界で今後さらなる普及が見込まれるEVへの旺盛な需要に応じるべく、今後も、車載用リチウムイオン二次電池向け電解液のリーディングカンパニーとして邁進していくとともに、知的財産権の適切な活用による健全な市場の拡大を促し、持続可能な次世代社会の実現に貢献するとしている。