三菱ケミカルは、オランダの3DプリンターメーカーのAtum3D社と、同社の光造形3Dプリンターで造形可能な紫外線硬化樹脂「ダイヤビーム」を共同開発した。
Atum3D社は、光硬化タイプの液体樹脂に紫外線を当てることで樹脂を硬化させて造形するDLP方式(Digital Light Processing)のオープン材料型3Dプリンターにおいて、欧州で確立された顧客基盤と技術を保有。プリンタ・ソフトウェアの製造技術と蓄積されたノウハウにより、特定の原料による造形のみではなく、顧客の要望に沿った樹脂を原料として造形することを可能としてる。
今回、三菱ケミカルはAtum3D社と、同社が製造を予定している紫外線硬化樹脂ダイヤビームの共同開発に成功した。
ダイヤビームは、従来の紫外線硬化樹脂では両立することが難しかった耐熱性と耐衝撃性をバランス良く持ち合わせ、さらに耐摩耗性にも優れていると云う。
三菱ケミカルは、この特性と光造形3Dプリントにより複雑な形状品の製造が可能なことから、自動車の内装材などへの採用が期待できるとしている。
なお、ダイヤビームの開発グレードは、11月19日~22日にドイツ・フランクフルトで開催されるヨーロッパ最大の3Dプリンター展示会「Formnext2019」に出展される予定。
三菱ケミカルグループは、今回の共同開発を含め、欧米市場とのネットワークを拡大することで3Dプリンティング用素材にかかわる戦略を進化させ、積極的な事業展開を図っていくとしている。
[Atum3D社の概要]
– 社名:Atum3D
– 事業内容:DLP方式3Dプリンターおよび関連システムの開発、製造、販売
– 所在地:オランダ・ゴーダ
– 設立:2013年
– 代表者:Tristram Budel(CEO兼CTO)