国土交通省は12月11日、自動運転の実現を目指す先進安全自動車(ASV/先進技術を利用してドライバーの安全運転に資するシステムを搭載した自動車)技術について、主要なASV技術の概要に加えて、個別の自動運転関連用語の詳しい概説を公開した。またユーザーが自動運転車両の機能を過信せず、適切な運転操作等を行うことを目的に、自動運転レベル3以降の車両の呼称を策定した。
同省では、ASV技術の実用化を推し進めることで交通事故の削減を目指しており、そのため1991年度から四半世紀に亘って産官学の「先進安全自動車(ASV)推進検討会」を設けて活動している。
これまでに実用化されたASV技術は、前方障害物衝突被害軽減ブレーキや、ペダル踏み間違い時加速抑制装置、レーンキープアシストなど数多く、いずれも自動車メーカー各社から同技術を搭載した車両が相次いで市販されている。
そうしたなかASV推進検討会は、同技術について〝自動車を利用するユーザー〟や、そうした情報を社会に伝える〝報道関係者〟への理解が広まるよう、主要なASV技術の概要を「自動運転関連用語」として取りまとめた。
具体的には、主要ASV技術概要として「乗用車」「トラック・バス」「二輪車」それぞれの搭載技術を紹介。これを元にメディアで取り上げられる機会が高い「自動運転関連用語」として解説・展開した。これはASV技術が必ずしも万能ではなく、自動車に関わる全てのステークホルダーがASV機能を限界を正しく理解し、引き続き安全な運転操作等を行うことが重要であるためだ。
そこで昨今、注目度が高い運転支援機能について、平成30年度に〝レベル1及び2〟の呼称を「運転支援車」に策定。今回、〝レベル3〟を「条件付自動運転車(限定領域)」に、〝レベル4〟を「自動運転車(限定領域)」に、〝レベル5〟を「完全自動運転車」として改めて示した形だ。
その内容は、図解等を用いて微細に説明されており、それぞれの技術を広く俯瞰できると共に、個々のASV技術の解釈や今日まで発展してきた経緯についても適切に示されている。国土交通省では「今後も引き続き、ASV技術や自動運転車両の適切な使用を促すことにより、これら技術を搭載した自動車の円滑な普及に努めてまいります」と話している。
ASVに係る自動車総合安全情報の掲載サイトは以下の通り
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/01asv/documents.html