国土交通省は3月31日、「ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドラインVer.3.0」を公表した。
トラックドライバー不足が深刻化する中、物流機能の維持は、ユニバーサルサービスの観点から非常に重要な課題であり、特に過疎地域等においては、輸配送の効率化のためにドローンを活用した荷物等の配送が期待されている。
国土交通省では、令和3年にドローン物流サービスにこれから着手する主体を対象とすることを念頭においた手引きとして、導入方法や配送手段などに関する具体的な手続き等を「ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドライン」に整理した。
今回、これまで国内で社会実装されたドローン物流事業や、その他実装の際の参考となり得る実証事業における取組等の蓄積を踏まえて、ガイドラインに事例集として追加することとし、「過疎地域等におけるドローン物流ビジネスモデル検討会」において「ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドラインVer3.0」として取りまとめた。
なお、ガイドラインの内容は、今後の状況の変化を踏まえ、適時適切に見直しを実施する予定だとしている。
■ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドラインVer.3.0の主な内容
第1部 社会実装編
<利用者視点を踏まえた事業コンセプトの構築>
ドローン物流の導入に際して、事業計画者は、初めに「地域が抱える課題を整理」し、その「課題解決方法としてのドローンの有効性」を確認した上で、利用者の視点に立脚し、「いつ」「どこへ」「何を」運ぶかなど「活用方法の具体化」を図ることが重要。
<検討・実施体制の整備>
事業コンセプトの構築の後、検討・実施体制の整備を行うことが重要であるため、①サービス利用者の明確化、②サービス提供体制の構築、③地元地方公共団体、住民理解と協力の確保等の検討を行うことが必要。なお、事業推進のため、④プロジェクトマネージャーを選定することが望ましい。
<サービス内容、採算性確保>
検討・実施体制の検討後、ドローン物流サービスの提供に関する「①ユースケースに応じた機材の選定」、 「②離着陸場所、飛行ルート及び運航頻度」、「③利用者インターフェース」、「④荷物等の管理・配送」、「⑤保険への加入」及び「⑥収支改善方策」の検討を実施。
<安全の確保 等>
ドローン物流サービスの提供にあたって、「飛行マニュアルの整備」、「落下リスクの小さい場所の選定」、「航空機や他の無人航空機との相互間の安全確保」、「第三者の立入管理」、「安全対策、事故時の対処方針」等、飛行の安全に万全を期すことが重要。
第2部 法令編
<航空法に基づく安全の確保 等>
ドローン物流サービスの提供にあたっては、飛行の安全の確保の観点から、航空法第132条、第132条の2、第132条の3及び「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領」14等の規定を遵守する必要がある。
事例集
<ドローンを含む新スマート物流事例>
(株)エアロネクスト・山梨県小菅村
<伊那市ドローン物流の社会実装の事例>
KDDI(株)・長野県伊那市
<プロジェクトマネージャーのリーダーシップが発揮された事例>
長崎県五島市の実証事業
<人件費削減の取組>
大分県津久見市の取組