4月1日、「アイシン精機」と「アイシン・エィ・ダブリュ」を経営統合した新会社「アイシン」が発足した。これに際し、取締役社長の伊勢清貴氏は、従業員に向けて、以下のメッセージを送った。
[伊勢社長のメッセージ(全文)]
今日からアイシングループの新しい歴史が始まります。皆さんも期待と不安が交錯しているのではないでしょうか。
なぜ今、合併なのか。もう⼀度整理したいと思います。約50年前に当時の最新技術であるオートマチックトランスミッションを開発するためにアイシン精機からアイシンワーナーという会社が分離独立しました。そして今、カーボンニュートラルに向け電動化が加速し、従来のオートマチックトランスミッションが将来的には無くなる事がほぼ確実であり、2つの会社に分かれている意味は無くなりました。そして100年に⼀度と言われるこの大変革期を乗り切るため、CASEへ対応できる事業構造への変革や企業としての経営体質強化のため、2社は合併します。
合併により2社の重複部分の解消や効率化を図る事はもちろんですが、更に大事な事は今まで違う風土で育ってきた⼈材が融合する事で、新たな価値の創造につなげてほしいという事です。意⾒の相違もあるでしょうが、ATBA(※)などを通じたコミュニケーション充実により一日も早くお互いを理解する事に努めてください。
あくまで合併は手段であり、目的はアイシングループが生き残り、成長することです。今、本当にアイシングループは生き残れるか否かの分岐点にいます。この1年、合併のための準備をしてきましたが、決して新会社の門出としては平坦ではありません。生き残りをかけ、この合併を何が何でも成功させなければなりません。是非この事を胸に刻み、お互いコミュニケーションをしっかり取ってください。
もうひとつ、もっと基本的な事のお願いです。この変革期を乗り切るために⼀番大事な事はなんでしょうか?私が社長就任以来、皆さんの行動指針として1番⽬に挙げてきた事ですが、それはアイシン全社員一人ひとりの主体性です。誰かがやってくれる、そんな受け身な考えではこの難局は乗り越えられません。新生アイシン、グループの一人ひとりが自分事として考え、挑戦しましょう。夢と志を持って具体的な行動を起こしましょう。
私達一人ひとりが主体性を持って挑戦すれば、成長への道は開けると確信しています。新経営理念『”移動”に感動を、未来に笑顔を。』を羅針盤としてグループ⼀体となって挑戦していきましょう!
※)Aisin Active Team Building Activity:「働きがい改革」を推進していくために取り入れたアイシン流職場づくり活動。(株)ワーク・ライフバランスが推奨している働き方改革の4つのステップを参考にした。