明電舎は4月26日、電動車両(以下、EV)向け駆動ユニット「MEIDEN e-Axle(メイデン・イーアクスル/以下、明電eアクスル)」の開発を完了し、本格的な市場投入に向けた販売を開始したことを発表した。
電動アクスルは、モーターとインバーター、ギア(減速機)を一体にしたEV向け駆動ユニット(電動アクスル)。今回、本格販売が開始される明電舎の電動アクスルは、自動車メーカーの開発期間短縮に寄与する標準製品でありながら、「より魅力ある自動車づくり」に貢献する以下の特長を有していると云う。
[製品特長]
1.高さを抑えた設計により3列シート車にも搭載可能
インバーターの配置を工夫(アキシャル配置の採用)し、クラストップレベルの薄さ(高さ280mm)を実現。自動車の構造上狭いとされるリア(後輪)部分に使用する際にも、荷室の低床化ができるため、3列シート車にも適用可能。同時に、フロント(前輪)に採用する際にも、同じ形状のまま搭載することができる。
2.軽量・小型化による電力消費改善
モーター内部の銅線に角型断面の平角線を採用し、スロット(※)の銅線を隙間なく配置するなど、出力密度の向上を図ることで、システムの小型・軽量化を実現(業界トップクラスの69kg)。車両軽量化による、電力消費の節約や車両の電池容量削減、コスト低減などに貢献する。
※コアに銅線を配置するための溝。
3.高出力によるパワフルな走り
70kWの高連続出力で、高速での連続走行や継続登坂能力のあるパワフルな電動車両づくりに寄与。
4.低騒音で快適な車室空間を提供
カバー形状の最適化や部品の一体化により、吸音材を用いることなく目標としていた騒音レベルをクリア。快適な車室空間の提供と部品点数削減を実現している。
<製品仕様>
– 最大出力(30秒):150kW
– 連続出力:70kW
– 最高回転数:16,000min-1
– 体格(W×L×H):485x440x280mm
– 質量:69kg
– 出力密度:2.2kW/kg
– モーター冷却方式:水冷
明電舎は、明電eアクスルの販売活動に注力し、早期に採用車種の拡大を図ると共に、出力ラインナップの充実化や需要の伸びに応じた量産体制の整備を推進。また、EV向け製品の提供を通して、カーボンニュートラル社会の実現とグリーンモビリティの普及に貢献していくとしている。
[問い合わせ先]
明電舎 コーポレートコミュニケーション推進部 広報・IR課
電話 03-6420-8100
■関連情報:明電舎電動車両システム