マツダと自動車部品や金型を設計・製作するワイテックは12月23日、新構造トーションビームアクスルとその高効率生産技術の開発で、機械振興協会が主催する第55回機械振興賞の「機械振興協会会長賞」を共同で受賞した。
機械振興賞の「機械振興協会会長賞」は、機械工業にかかわる優秀な研究開発およびその成果の実用化によって、機械工業技術の進歩・発展に著しく寄与したと認められる業績に対して贈られるもので、表彰式は来年の2月22日(月)に行われる予定。
新構造トーションビームアクスルは、自動車リアサスペンションの一形式で、シンプルな構造と軽量・コンパクトさが特長のトーションビームアクスルをベースに、快適な車内空間と人の操作に対するクルマの挙動と人の感覚を一致させることで、自分の手足のように扱える運転感覚を提供することを目指し開発。
従来の製法では、乗り心地に大きく影響するセンタービームを既製品の鋼管からプレス加工していたため、設計の自由度が低いという難点があったが、同技術では鋼板の板材からプレス成形することにより、トーションビーム中心付近の直径を細く加工。ねじり剛性を低くし、車輪に近い両端部は大口径で高剛性な鋼管として製作することで、しなやかな乗り心地と操縦安定性を高次元で両立。さらに、これら鋼管の製作過程を汎用設備で自動化し、コストの低減も実現。以上の点が評価され、機械振興賞「機械振興協会会長賞」の受賞に至った。
なお、この技術は、マツダの車両構造技術「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE(スカイアクティブ ビークル アーキテクチャー)」に採用されており、新世代商品群「MAZDA3」「MAZDA CX-30」「MAZDA MX-30」に搭載されている。
マツダは、今後もクルマ本来の魅力である「走る歓び」によって、美しい「地球」と心豊かな「人」・「社会」を実現し、人の心を元気にすることにより、ユーザーとの間に特別な絆を持ったブランドになることを目指すとしている。
[機械振興協会会長賞受賞の概要]
– 受賞対象:新構造トーションビームアクスルとその高効率生産技術の開発
– 開発担当者:
(マツダ)川口 秀明/髙橋 浩之/桑子 俊/中土 信之
(ワイテック)江村 弘章/宇都宮 翔/國安 崇雅
■株式会社ワイテック:http://www.ytec-gr.co.jp/
■機械振興協会:http://www.jspmi.or.jp/