丸紅は、ウルトラキャパシタの開発・製造事業を行うエストニア国の「Skeleton Technologies Group(スケルトン・テクノロジーズ・グループ/以下、スケルトン社)」へ、2021年3月に出資した。この出資を通じて、日本を始めとするアジアを中心に同社製のウルトラキャパシタの販売および、次世代蓄電技術の用途・顧客開拓に取り組む。
世界的な気候変動対策の潮流の加速に伴い、日本政府は昨年10月、「2050年カーボンニュートラル」を宣言。脱炭素化に向けた取り組みの強化と共に、その実現に向けた革新的な技術開発や社会実装を推進し、産業構造や社会経済の変革によって経済と環境の好循環を目指すグリーン成長戦略を推進している。
このような環境下において、蓄電技術は、再生可能エネルギーの普及に伴う電力の安定供給や、電動車への搭載、さらには次世代燃料として期待される水素の製造や燃料電池との組み合わせによる活用等、幅広い用途への展開が期待されている。
スケルトン社は、高出力、高速充放電、長寿命、安全性、リサイクル性といった特徴を有する蓄電デバイスとして、自動車、交通、建設機械、電力、産業機器等、様々な分野で採用されるウルトラキャパシタの欧州最大メーカーとして、エストニアとドイツに開発拠点を、またドイツに製造拠点を所有。現在、欧州と米国を中心に主要な自動車メーカーや重電メーカー等に業界最高水準の性能を有するウルトラキャパシタを供給している。
さらに、蓄電容量を大幅に高める次世代製品の開発も進め、その実用化によって、リチウムイオン電池や鉛蓄電池の代替、燃料電池との併用等による効率的なエネルギー利用、システムの低コスト化や環境対策を実現し、より広範な用途ニーズに対応することを目指している。
丸紅は、スケルトン社への出資を通じて、その戦略的パートナーとして、グローバルなマーケティング機能を活かし、日本を始めとするアジアを中心にスケルトン社製品を販売。また、幅広い分野での顧客基盤を活かして、同社が開発を進める次世代ウルトラキャパシタの顧客・用途開発を行う。
そして、スマートシティ化、分散化電源・再生可能エネルギー・新エネルギーの普及、自動運転社会という新たな社会ニーズに応えるビジネスモデルの創造を可能にすることで、世界が目指す脱炭素社会の構築に貢献し、サステナブルな社会の実現を目指していくとしている。
[スケルトン社の概要]
– 会社名:Skeleton Technologies Group OÜ
(スケルトン・テクノロジーズ・グループ)
– 本社所在地:Valukoja 8, 11415 Tallin, Estonia
– 設立:2009年
– 代表者:Taavi Madiberk, Chief Executive Officer
– 事業内容:ウルトラキャパシタ開発・製造
– HP:https://www.skeletontech.com/