大手自動車関連サプライヤーのマレリ(MARELLI)は、中国のShanghai Highly Group (上海海立集団股份/以下、Highly)と戦略的パートナーシップを締結した。
これ基づき、マレリはJohnson Controls-Hitachi Air Conditioning(JCH)と株式譲渡契約を締結し、HighlyとJCHの合弁会社であるShanghai Highly New Energy Technology(上海海立新能源技術/以下、HNET)の株式を取得することとなる。なお、同取引は2019年第3四半期中に完了する予定。
中国の上海に本社を置くHighlyは、家電製品、新エネルギー自動車、冷暖房機器の中核部品の研究開発と製造を行う企業で、コンプレッサー、モーター、自動車部品、駆動制御装置、冷暖房機器を5つの主力製品としている。
同社エアコン用コンプレッサーのシェアは、世界第3位。世界中に13の工場と14の研究開発および技術サービスセンターを有している。
また、2016年に設立されたHNETは、乗用車・商用車向け電動コンプレッサー(EDC)を生産。マレリは今回の協業により、電動自動車の空調ソリューションに不可欠なシステムであるEDC事業を強化する。
マレリは、HNETへの出資に加え、Highlyと、現在マレリが保有するコンプレッサーおよび空調事業を運営するための合弁会社を設立する覚書に合意。この覚書は取引に関する詳細協議を行うことを合意したもので、来年1月の最終合意調印を目指して、さらなる協議を続けていく。
戦略的パートナーシップ締結に際して、マレリCEOのベダ・ボルゼニウス氏は、次のようにコメントしている。
「本日の発表は、グローバルで多様化したティア1サプライヤーになるというマレリの目標達成に向け、さらに一歩前進したことを示すものです。
家庭用・業務用エアコンのコンプレッサーおよび新エネルギー自動車用EDCのリーディングメーカーであるHighlyと、イノベーションおよび優れたモノづくりで定評のあるマレリとの連携によって、中国のみならず世界的にも補完的な事業成長をもたらすことを確信しています。
このパートナーシップは、従業員にとって魅力的な新たなチャンスを提供するとともに、より大きな相乗効果の達成を通じて、お客様にさらに大きな価値を提供することを可能にします」。
また、Highly社長のZheng Jiandong氏は、次のようにコメントしている。
「MARELLI社との合弁会社を、車両用サーマルシステムの世界的トップサプライヤーに育てること。それがHighlyの持つビジョンです」。
■Highly(英語):http://www.highly.cc/en/